三極委員会

三極委員会とは

三極委員会（Trilateral Commission）は、日本、北米、欧州の3極間の協力を促進するために設立された、非営利の政策協議組織です。1973年にデイビッド・ロックフェラーとズビグネフ・ブレジンスキーの主導によって「日米欧委員会」として発足しました。世界各国の政治家、官僚、財界人、学者、メディア関係者、大企業の役員など、各分野の著名なリーダーたちが参加しています。

設立の背景と目的

三極委員会は、設立当初、先進工業民主主義国が直面する共通の課題について、共同で研究・討議し、政府や民間指導者に対して政策提言を行うことを目的としていました。参加国は、委員会の規定で「先進工業民主主義国」と定義されています。90年代中頃には欧州で中欧諸国からの参加が始まり、2000年には北米でメキシコ、アジア太平洋地域でも参加国が拡大したことを受け、日本委員会はアジア太平洋委員会へと改編されました。

名称の変遷と組織

委員会は、日本、北米、ヨーロッパの3つの委員会によって運営されています。当初は「日米欧委員会」という名称でしたが、参加地域の拡大に伴い、「三極委員会」に改称されました。2009年からは中国とインドも参加しています。

現在の各地域における議長は以下の通りです。

欧州：ジャン・クロード・トリシェ (2012年～)
北米：メーガン・オサリバン (2019年～)
日本（アジア太平洋）：新浪剛史 (2022年～)

関係者

著名な関係者

ロバート・ルーサ：創立メンバーの一人。元FRB役員で、ポール・ボルカーを財務省監査として採用しました。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの共同経営者、ブルッキングス研究所会長も務めました。

日本の関係者

過去の委員には、以下のような著名人が名を連ねています。

渡辺武：発足時の日本委員会委員長
大來佐武郎
宮沢喜一
牛場信彦
永野重雄
岩佐凱実
土光敏夫
盛田昭夫
長谷川閑史

現在のメンバー

現在のメンバーには、以下のような方々が含まれます。

新浪剛史（アジア太平洋委員会議長）
長谷川閑史（アジア太平洋委員会名誉会長）
田中明彦（アジア太平洋委員会名誉会長、前議長）
池田祐久（アジア太平洋委員会ディレクター、アジア太平洋委員会執行委員）
中尾武彦（アジア太平洋委員会執行委員）
狩野功（アジア太平洋委員会執行委員）
近藤正晃ジェームス（アジア太平洋委員会執行委員）
杉崎重光
勝又英子
藤井卓也
藤崎一郎
船橋洋一
行天豊雄
濱口博史
平井康光
堀井 昭成
伊藤 仁
伊藤錬
柏木 茂介
勝栄二郎
川名浩一
小林いずみ
児島明
河野太郎
小泉進次郎
国部毅
チャールズ D.レイク
三毛兼承
村瀬悟
中村邦晴
奥田健太郎
櫻田謙悟
佐藤康博
塩崎恭久
高原明生
武見敬三
田中均
田中直毅
田中伸男
田代桂子
津川清
辻慎吾
津谷正明
渡邊博史
小木曽麻里

デイビッド・ロックフェラー・フェロー

城口洋平
北川拓也
瀧口友里奈
川井大介

三極委員会に参加する日本代表のメンバーは、経済同友会や経団連の一部のメンバーと重複しており、日米合同委員会とも省庁のメンバーが出席していることがあります。

年次総会

年次総会は原則として年1回、3日間、アジア太平洋、ヨーロッパ、北米の各地域持ち回りで開催されます。過去の開催地は以下の通りです。

第51回：COVID-19のため、三地域それぞれバーチャルミーティング (2020年)
第50回：フランス、パリ (2019年)
第49回：シンガポール (2018年)
第48回：アメリカ、ワシントンD.C. (2017年)
第47回：イタリア、ローマ (2016年)
第46回：韓国、ソウル (2015年)
第45回：アメリカ、ワシントンD.C. (2014年)
第44回：ドイツ、ベルリン (2013年)
第43回：日本、東京 (2012年)
第42回：アメリカ、ワシントンD.C. (2011年)
第41回：アイルランド、ダブリン (2010年)
第40回：日本、東京 (2009年)
第39回：アメリカ、ワシントンD.C. (2008年)
第38回：ベルギー、ブリュッセル (2007年)
第37回：日本、東京 (2006年)
第36回：アメリカ、ワシントンD.C. (2005年)
第35回：ポーランド、ワルシャワ (2004年)
第34回：韓国、ソウル (2003年)
第33回：アメリカ、ワシントンD.C. (2002年)
第32回：イギリス、ロンドン (2001年)
第31回：日本、東京 (2000年)
第30回：アメリカ、ワシントンD.C. (1999年)
第29回：ドイツ、ベルリン (1998年)
第28回：日本、東京 (1997年)
第27回：カナダ、バンクーバー (1996年)
第26回：デンマーク、コペンハーゲン (1995年)
第25回：日本、東京 (1994年)
第24回：アメリカ、ワシントンD.C. (1993年)
第23回：ポルトガル、リスボン (1992年)
第22回：日本、東京 (1991年)
第21回：アメリカ、ワシントンD.C. (1990年)
第20回：フランス、パリ (1989年)
第19回：日本、東京 (1988年)
第18回：アメリカ、サンフランシスコ (1987年)
第17回：スペイン、マドリッド (1986年)
第16回：日本、東京 (1985年)
第15回：アメリカ、ワシントンD.C. (1984年)
第14回：イタリア、ローマ (1983年)
第13回：日本、東京 (1982年)
第12回：アメリカ、ワシントンD.C. (1981年)
第11回：イギリス、ロンドン (1980年)
第10回：日本、東京 (1979年)
第9回：アメリカ、ワシントンD.C. (1978年)
第8回：ドイツ、ボン (1977年)
第7回：日本、東京 (1977年)
第6回：カナダ、オタワ (1976年)
第5回：フランス、パリ (1975年)
第4回：日本、東京・京都 (1975年)
第3回：アメリカ、ワシントンD.C. (1974年)
第2回：ベルギー、ブリュッセル (1974年)
第1回：日本、東京 (1973年)

関連組織

三極委員会は、以下の組織とも関連があるとされています。

ビルダーバーグ会議
ダボス会議
王立国際問題研究所
外交問題評議会
アメリカ対日協議会
経済同友会
日米合同委員会
経団連
内閣情報調査室
東京地検特捜部
電通
三菱財閥
三井財閥
三井住友トラスト・アセットマネジメント
自由民主党
国会
別班
経済財政諮問会議
日米地位協定
セキュリティクリアランス

外部リンク

日本国際交流センター 三極委員会（トライラテラル・コミッション）
財団法人 日本国際交流センター
Trilateral Commission公式サイト（北米委員会制作）
* Membership 2019 MARCH

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