南矢代駅

南矢代駅：丹波篠山市の静かなローカル駅

兵庫県丹波篠山市南矢代にあるJR西日本福知山線の南矢代駅は、のどかな田園風景の中に佇むローカル駅です。1955年10月24日、国鉄福知山線の古市駅～篠山口駅間に新設され、旅客営業を開始しました。当初は気動車のみの運行で駅員無配置の小さな駅でしたが、時代の流れとともに変化を遂げてきました。

歴史と変遷

開業から現在まで、南矢代駅は幾多の変遷を経てきました。国鉄分割民営化（1987年）によりJR西日本へ移管、JR宝塚線の愛称を使用開始（1988年）、篠山口鉄道部の管轄となり（1992年）、複線化によるホーム拡張（1997年）、自動改札機の設置（1999年）、ICOCA対応（2003年）と、利用者の利便性向上のための改良が重ねられてきました。篠山口鉄道部の廃止に伴い福知山支社直轄、その後福知山駅の被管理駅となり（2022年）、駅ナンバリング（2018年）も導入されるなど、現代的な駅へと進化を遂げています。

駅舎と設備

南矢代駅は地上駅で、2面2線の相対式ホームを持ちます。分岐器や絶対信号機がないため停留所に分類されます。駅舎は下りホーム側にあり、上りホーム側にも簡易的な出入口が設けられています。ホーム間の移動は跨線橋を利用します。かつては単式1面1線のホームで行き違いができないため、一部の普通列車が通過していましたが、複線化により改善されました。無人駅であるため駅員は常駐していませんが、ICOCAなどのICカードや簡易型自動券売機、自動改札機が設置され、利便性を高めています。改札口付近にはベンチも設置され、利用者の休憩スペースも確保されています。ただし、駅構内にトイレはないため、駅舎外の公衆トイレを利用する必要があります。

運行状況と利用状況

日中の運行頻度は1時間あたり2本ですが、朝晩は3～5本に増便され、JR東西線経由の電車も運行されています。2016年度の1日平均乗車人員は約148人と記録されています。これは、周辺地域の居住者や通勤・通学利用者などを反映した数値と言えるでしょう。

駅周辺環境

駅周辺は西側を中心に住宅街が広がり、それ以外は田園地帯が広がっています。南矢代簡易郵便局、南矢代公民館といった公共施設の他、国道176号と国道372号が駅周辺を通っており、交通アクセスも良好です。バス路線としては、ウイング神姫の路線バスが駅近くの国道176号線沿いを運行し、篠山口駅や藍本駅方面へのアクセスを提供しています。さらに、栗栖野方面へのコミバスハートランも運行しています。

隣の駅

南矢代駅の隣の駅は、下りは古市駅、上りは篠山口駅です。いずれも福知山線に属し、丹波路快速、快速、区間快速、普通列車が停車します。

まとめ

南矢代駅は、歴史と進化を遂げながら、地域住民の足として重要な役割を担う駅です。静かな田園風景の中にありながら、現代的な設備も整っており、利便性と快適性を両立した駅と言えるでしょう。これからも地域社会に貢献し続ける、静かな存在感を放つ駅です。

もう一度検索