原水駅

原水駅：豊肥本線沿線の拠点駅

熊本県菊池郡菊陽町大字原水にある九州旅客鉄道（JR九州）豊肥本線の原水駅は、1920年（大正9年）7月25日、宮地軽便線の三里木駅～肥後大津駅間に開業しました。当初は鉄道省の駅として発足し、その後日本国有鉄道を経て、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化によりJR九州に継承されました。

開業から約100年もの間、地域住民の生活を支える重要な交通拠点として機能してきました。1962年（昭和37年）4月1日には業務委託駅（日本交通観光社委託）となり、同年10月1日には貨物取扱が廃止されました。その後、1971年（昭和46年）10月1日には荷物扱いも廃止され無人駅となりましたが、自動券売機の設置により利便性の向上に努めています。

2012年（平成24年）12月1日には、交通系ICカードSUGOCAが導入され、利用者の利便性向上に貢献しています。近年では、利用者数の増加が著しく、2022年度の1日平均乗車人員は1089人だったのに対し、2023年度は約1.5倍に増加しました。この利用者増加を背景に、2024年度中にはホームの拡張工事が完了する予定です。現在のホーム幅は2mですが、1m延長されて利便性が向上する見込みです。

駅構造と周辺環境

原水駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。ホーム間は構内踏切で連絡しており、駅舎はシンプルながらも機能的な設計となっています。構内には片開きの分岐器がありますが、信号システムの都合上、一線スルー方式ではありません。無人駅であるため駅員は常駐していませんが、自動券売機が設置されているため、切符の購入には困りません。

駅周辺は、国道57号や熊本県道337号熊本菊陽線などの道路沿いに住宅や商店が立ち並び、一方で田畑が広がる、落ち着いた環境です。駅周辺には菊陽町役場、菊陽原水郵便局、聞光寺、鼻ぐり井手公園などの公共施設や史跡、そしてソニーセミコンダクタ九州熊本工場などを擁するセミコンテクノパークといった企業施設も立地しています。

バス路線も充実しており、駅南側の熊本県道337号上には原水駅前バス停、北側には原水駅北口バス停が設置されています。産交バス、熊本電鉄バス、キャロッピー号など複数の路線バスが運行され、周辺地域へのアクセスも良好です。

隣の駅

原水駅の隣駅は、豊肥本線下り方面が肥後大津駅、上り方面が三里木駅です。

まとめ

原水駅は、歴史と地域住民の生活に密着した、重要な交通拠点です。長年にわたる利用者の増加と、それに伴うホーム拡張工事計画は、この駅の地域社会における重要性を改めて示すものと言えるでしょう。今後も、地域社会の発展に貢献していく駅として期待されています。

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