呂布

呂布（りょ ふ） - 後漢末期の武将

呂布（生年不詳 - 建安3年12月24日）は、中国後漢末期に活躍した著名な武将であり、剛勇に優れた人物として知られています。字は奉先で、并州五原郡九原県（現在の内モンゴル自治区包頭市）に生まれました。彼は『三国志』や『後漢書』といった古典文献に記されており、その逸話は後世に広まっています。

事跡

初期の経歴と董卓政権下の活動

呂布は家柄が低いながらも、その武勇を買われて并州刺史の丁原に仕官しました。丁原は彼を主簿に任命し、特に信任しました。しかし、呂布は丁原を殺害し、董卓に仕官します。董卓の下では、呂布は中郎将から都亭侯にまで昇進しますが、最終的には董卓をも裏切ることになります。

中平6年（189年）、霊帝の死後、宦官の権力争いが激化し、呂布は丁原を殺害することで董卓に重用されました。董卓の専横を気にしつつも、呂布はその剛力と武芸によって「飛将」と称され、軍務を担いました。しかし、彼の活躍は董卓の失脚に繋がります。

董卓の暗殺とその後

呂布は王允の暗殺計画に加わり、董卓を宮門で謀殺しました。この事件の影響で呂布は短期間ながら権力を掌握しましたが、戦乱が続く中で彼の権勢は脆弱でした。

董卓を殺したものの、呂布はその後に現れた敵、特に郭汜や李傕の軍勢に対抗することができず、最終的に逃亡することになります。彼は長安を一時的に支配しますが、この時もすぐに他の勢力に攻撃される状況にありました。

中原の戦乱と徐州の掌握

その後、呂布は袁術や袁紹といった他の英雄たちと接触を持ちました。彼は徐州を支配し、劉備との関係を築くことに成功しました。しかし、呂布はしばしば裏切りを繰り返し、他勢力の圧力に晒され続けます。

彼の傭兵軍は、戦闘によって名声を得ながらも、自身の内面的な不安や権力欲が彼を取り巻く状況を複雑化させました。

最期

建安3年（199年）、呂布は再び曹操と対峙します。繰り返し敗北し続けた末、最終的に曹操によって捕らえられ、処刑されました。この際、彼は最後まで反抗の意志を示しましたが、彼の裏切りの歴史から逃れることはできませんでした。

評価と影響

呂布はその武力と騎士道精神から評価される一方、裏切り者としての評判も根強く残っています。陳寿による評価では、「勇猛だが計略に欠け、自己中心的」とされ、その行動は歴史的に見ても賛否が分かれています。

近現代の文学や演劇においても、呂布は多くの作品で描かれており、その武勇と人間的なドラマは多くの人に支持されています。特に『三国志演義』では彼の鋭い武力が強調され、「三英戦呂布」として名を馳せました。彼は後漢を再建すべく戦った戦神とされ、今日でも中国の歴史や文化において特異な存在感を持っています。

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