新可児駅

新可児駅

新可児駅（しんかにえき）は、岐阜県可児市下恵土一丁目に所在する、名古屋鉄道（名鉄）広見線の駅です。駅番号はHM06で、可児市の代表駅としての役割を担っています。

歴史

広見線の名称は、可児市の前身である旧広見町に由来し、かつては当駅も「新広見駅」という名称でした。駅の歴史は、東濃鉄道が新多治見駅から御嵩までを結んだ路線の一部として、「広見駅」を開業したことに始まります。

その後、国有化の対象となった区間と、東美鉄道が引き継いだ区間に分かれ、国鉄と東美鉄道の共同使用駅となりました。軌間が異なる軽便鉄道だった両線は、1928年に1067mm軌間に改軌され、その際に現在地に移転しました。

1929年には、名古屋鉄道が今渡から延伸して東美鉄道と接続し、スイッチバック配線が形成されました。1930年には国鉄との共同使用を解消し、名鉄と東美鉄道の駅として「新広見駅」が分離されました。1943年には東美鉄道が名古屋鉄道に合併され、現在の形に至ります。

年表

1918年（大正7年）12月28日：東濃鉄道広見駅が開業。
1926年（大正15年）9月25日：国鉄・東美鉄道広見駅となる。
1928年（昭和3年）10月1日：現在地に移転開業。
1929年（昭和4年）1月22日：名古屋鉄道（初代）が今渡 - 当駅間を開業。
1930年（昭和5年）2月16日：国鉄広見駅から独立。東美鉄道・名古屋鉄道新広見駅となる。
1943年（昭和18年）3月1日：東美鉄道と名古屋鉄道が合併。名古屋鉄道新広見駅となる。
1948年（昭和23年）1月下旬：配線変更に伴い駅舎改築。
1982年（昭和57年）4月1日：可児市の市制施行により、新可児駅に改称。
1984年（昭和59年）：構内に新可児検車場を新設。
1994年（平成6年）5月：駅舎改築。
2001年（平成13年）10月1日：新可児検査場閉鎖。
2003年（平成15年）3月27日：平日の日中と休日の直通運転を中止。当駅を境に犬山方面と御嵩方面の運転系統がほぼ分断。
2007年（平成19年）8月2日：新しい自動券売機・自動改札機を導入。
2007年（平成19年）8月8日：トランパス導入。
2008年（平成20年）6月29日：犬山方面と御嵩方面の直通運転を中止。当駅1番線に中間改札を設置。
2011年（平成23年）2月11日：ICカード乗車券「manaca」供用開始。
2012年（平成24年）2月29日：トランパス供用終了。
2019年（平成31年）3月18日：LED電光掲示板および自動案内放送を運用開始。
2019年（平成31年）3月20日：行灯発車標撤去。
2023年（令和5年）9月30日：特殊勤務駅となる。

駅構造

新可児駅は、2面3線の頭端式ホームを持つ地上駅です。スイッチバック配線のため、犬山方面と御嵩方面の列車は同じ方向に発車します。駅舎は1994年5月に改築された鉄骨2階建てで、改札口は1箇所です。自動券売機や自動精算機が設置されています。2023年9月30日からは特殊勤務駅となり、窓口営業時間が変更されました。

1番線は御嵩方面の列車専用で、2008年のダイヤ改正で運転系統が分断されました。御嵩方面はmanacaに対応していないため、ホーム入口に中間改札が設けられています。犬山方面の列車は、3番線からの発車が多くなっています。

その他設備等

かつて2番線には、行灯式発車案内が設置されていました。この発車標は2019年3月20日に撤去され、現在はLED式電光掲示板が使用されています。途中駅ながらスイッチバック方式のため、駅名標には隣の駅が片側のみ記載されています。構内放送は自動放送が導入されるまでは駅係員による肉声で行われていました。

以前は駅舎内に軽食売店がありましたが、2021年5月に閉店しました。かつて存在した新可児検車場は、八百津線の廃止に伴い2001年に閉鎖されました。

利用状況

2013年度の1日平均乗降人員は4,988人で、名鉄全駅中84位、広見線内では3位でした。1992年度には7,273人を記録しており、広見線・八百津線内では3位でした。近年の乗降人員は減少傾向にあります。

ダイヤ

犬山方面への列車は、平日朝ラッシュ時には名古屋方面への直通列車が多く運行されます。日中は1時間に4本が運行されています。御嵩方面へはほぼ終日1時間に2本の普通列車が運行しています。2024年3月からは犬山方面も一部列車を除いてワンマン運転となりました。

平日朝にはミュースカイも運行され、通勤客の利用が多いです。夜間は犬山方面への減便が見られます。最終列車は、犬山方面が23時00分、御嵩方面が23時17分です。

駅周辺

駅周辺には、可児駅（JR太多線）、可児川、可児市立図書館、可児市役所などの公共施設があります。商業施設は駅からやや離れた場所に位置しています。

バス路線

駅前からは東濃鉄道バスや可児市コミュニティバスが発着しています。高速バス「中央ライナー可児号」「ドリーム可児号」も利用可能です。

その他

駅の旧称である「広見」は、現在も可児市の地名として残っています。かつては、この駅で列車の進行方向が変わるスイッチバック構造が特徴でした。

隣の駅

名古屋鉄道 広見線（犬山〜新可児）
ミュースカイ・普通：日本ライン今渡駅 (HM05) - 新可児駅 (HM06)
名古屋鉄道 広見線（新可児〜御嵩）
普通：新可児駅 (HM06) - 明智駅 (HM07)



※かつて当駅と明智駅の間には、前波駅と学校前駅が存在しました。

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