湯尾駅

湯尾駅：歴史と現状

福井県南条郡南越前町湯尾に位置する湯尾駅は、北陸本線の歴史を刻むと共に、近年ではハピラインふくい線として新たな役割を担う、変化に富む駅です。1943年、湯ノ尾信号場として開設されて以来、幾多の変遷を経て現在の姿に至っています。

開設から国鉄分割民営化まで

1943年4月10日、国有鉄道北陸本線の今庄駅と鯖波駅（現在の南条駅）間に湯ノ尾信号場として誕生しました。それから5年後、1948年9月1日には旅客駅として湯尾駅に昇格。その後、1971年3月25日には貨物の取扱いを廃止し、無人駅となりました。そして1987年4月1日、国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅となりました。

近年の変化とハピラインふくい線への移行

2018年9月15日にはICカード『ICOCA』の利用が可能となり、利便性が向上しました。そして2024年3月16日、北陸新幹線金沢～敦賀間の開業に伴い、歴史的な転換期を迎えました。北陸本線からハピラインふくい線へと移管され、新たな路線の一員として運行を続けています。この移行により、駅舎はログハウス風の外観を保ちつつ、新たな役割を担うこととなりました。

駅構造と利用状況

湯尾駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類されます。ホーム間の移動は跨線橋を利用します。駅舎は上りホーム側に位置し、ログハウス風の落ち着いた佇まいが特徴的です。北陸新幹線敦賀延伸まではJR西日本金沢支社の福井地域鉄道部が管理する無人駅で、自動券売機は設置されていませんでしたが、ICカード専用の簡易改札機が設置されています。

のりば番号はICOCA導入時に設定され、駅舎側（上り）が1番のりばとなっています。近年では、利用状況の変遷を『福井県統計年鑑』で確認できます。

駅周辺とアクセス

駅周辺には、北陸自動車道今庄IC、国道305号・国道365号、湯尾峠といった主要な交通インフラが整備されています。また、南越消防組合南消防署も近隣にあります。かつては今庄住民利用バス『JR湯尾駅』バス停留所が利用できましたが、2023年5月31日をもって運行を終了し、廃止されています。

隣の駅

ハピラインふくい線において、湯尾駅の隣駅は下り方向が南条駅、上り方向が今庄駅です。快速列車は通過しますが、普通列車は全列車停車します。

まとめ

湯尾駅は、長きにわたる歴史と、近年の変化を象徴する駅です。北陸本線の時代からハピラインふくい線への移行、そしてICOCA導入など、時代の流れとともに変化を遂げながら、地域住民の足として重要な役割を果たし続けています。今後も、地域社会のニーズに応えながら、その存在感を維持していくことが期待されます。将来の更なる発展、そして新たな役割が期待される、変化に富む駅のひとつと言えるでしょう。

参考文献

川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日。ISBN 978-4-06-270065-8。
『週刊JR全駅・全車両基地18 北陸本線②（森本～米原） 越美北線』朝日新聞出版、2012年12月9日。

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