行部

行部について

行部（こうぶ）は、漢字を部首によって分類した際の一つのグループであり、康熙字典214部首の中では144番目に位置しています。これは6画の部首の中で27番目、申集の中では5番目に当たります。

概要

行部には、「行」という字を筆画の一部に持つ漢字が含まれています。単語としての「行」は、多様な発音を持つ多音字です。伝統的な辞典、特に『康熙字典』では、「道を歩く」「行く」という意味が最初に紹介されることがほとんどです。この他にも、「行く」関連の字義には、物事をおこなう、従事するという意味や、年月が経つことを示すような意味が含まれています。また、「道路」関連の字義としては、行列や交易の場所を指すこともあります。

「行」という字の字源は、十字路の形を描いた象形文字で、元々は「道路」という概念を表わしています。この漢字は、道路や道を与えることに関連する文字に意符として含まれます。「彳」という字は「行」の省略形であり、同様に意符としての機能も持ちます。しかし、『説文解字』以降は、彳部と行部は別々の部首として扱われるようになっています。現代の中国においては、『新華字典』や『漢語大字典』などでは、これらの部首が統一されて彳部として扱われることもあります。一方で、日本でも一部の辞典では行部と彳部を統一する場合があります。

部首の通称

行部は国や地域によって異なる通称を持っています。日本では「ぎょうがまえ」や「ゆきがまえ」と呼ばれ、韓国では「다닐행부（danil bu、ゆく行部）」という名称で普及しています。英語圏では「Radical walk enclosure」と呼ばれることが一般的です。

部首字と音

行部の部首字は「行」であり、発音は地域によって異なります。例えば、現代中国語の普通話では「xíng」（ピンイン）と発音され、注音では「ㄒㄧㄥˊ」と書かれます。また、広東語では「hang4」という発音が当てられています。日本語では、音読みとして「コウ」「ギョウ」、訓読みでは「ゆく」「おこなう」などの読むことがあります。朝鮮語では「행(haeng)」という音で、「다닐（danil、ゆく）」や「행할（haenghal、おこなう）」のように、用法が分かれます。

中古音と現代音

様々な音韻変化を通じて、行部の発音は大きく変化してきました。中古音の資料によれば、「広韻」や「詩韻」において使用される声母や韻母は、現代音とは異なる部分も多く見受けられます。

例字と最大画数

行部に関連する例字には、「行」や「衍」「衒」「街」「衙」「衝」「衞（衛）」などがあります。最も画数が多い字は「衢」とされています。

このように、行部は漢字の意味や形状が非常に多様であり、日本や韓国を含む多くの国々で異なる呼称や解釈が存在します。漢字の部首としての行部は、歴史的にも文化的にも興味深い要素を持つ分野と言えるでしょう。

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