長崎バイオパーク

長崎バイオパークは、長崎県西海市にある自然動物公園です。1980年11月に開園し、バイオパーク株式会社によって運営されています。この動物園の大きな特徴は、檻や柵が少なく、動物たちが自然に近い状態で生活している様子を間近に観察できることです。

開園の背景

長崎バイオパークは、もともと観光果樹園として利用されていた土地を基に、東京農業大学の近藤典生教授の指導のもと、「人と自然の調和」をテーマに建設されました。1975年から建設が始まり、日本設計が設計を担当しました。総工費約2億円は、地元の親和銀行が出資しました。

施設の特徴

園内では、大型の肉食動物は飼育されていませんが、リャマ、カピバラ、リスザルなど、哺乳類を中心に淡水魚や昆虫類まで、多種多様な動物たちが飼育されています。1994年には、カバの人工哺育による日本初の繁殖に成功しました。また、行動展示にも力を入れており、動物たちの自然な姿を観察することができます。

園内は、キリンやシマウマなどの一部の動物を除き、ほとんどの動物を間近に見ることができ、餌付けも可能です。動物たちのゾーンは低い塀や水路、暗い通路などで区切られており、それぞれの動物の習性に合わせて他のゾーンへの移動を制限しています。ただし、カピバラやマーラなどは、たまに他の区域に出没することもあります。

2008年には、マレーシア国立マラッカ動物園と姉妹動物園提携を結び、コツメカワウソが寄贈されました。

また、長崎バイオパークは、福岡県久山町のショッピングモール「トリアス」内に「トリアスふれあい動物園」、阿蘇ファームランド内に「ふれあい動物王国」といった関連施設も運営しています。これらの施設では、長崎バイオパークから派遣された動物たちと触れ合うことができます。

園内の順路

園内は、順路に沿って12のゾーンに分かれており、雑木林と照葉樹林の中に動物たちが生活しています。最初の4つのゾーンは往路と復路の両方で通る形になっています。

主なゾーン

トトーラの池: ハクチョウ、マナヅルなどが生息。冬には野生のカモ類も飛来します。
トトーラの坂道: リャマやポニー、マーラなどがいます。
インカの石積み: 熱帯館に通じる階段とスロープがあり、リャマやコンゴウインコなどがいます。
フラワードーム: 南アメリカの熱帯雨林の植物や蘭、オオコウモリなどがいます。
ライブドーム: ケープハイラックスを飼育。2階構造になっており、行きと帰りで異なる部分を観ることができます。
そうしの滝とフラミンゴの池: キツネザルやアメリカビーバー、フラミンゴなどがいます。
アンデス広場とラマの岩山: プレーリードッグやリャマなどがいます。レストランや昆虫館もあります。
昆虫館: 日本や世界各地のカブトムシ、クワガタムシの生体や標本が展示されています。
スナネコ舎: 九州で唯一スナネコを飼育しています(沖縄を除く)。
カピバラの池とオマキザルの島: カピバラがいます。
シャボテン・ロックガーデン: コツメカワウソ、マレーバク、ハナグマなどがいます。
アライグマとレッサーパンダの丘: レッサーパンダ、アライグマ、ミーアキャットなどがいます。マーラも歩き回っています。
キリンとシマウマの見える坂道: ダ[[チョウ]]などがいます。
カンガルーの丘とリスザルの森: ワラビーやエミュー、リスザルなどがいます。
カバの池とキツネザルの島: カバがいます。

カバの「モモ」

長崎バイオパークでは、1994年に人工哺育で育てられたカバの「モモ」が有名です。モモは、通常水中で出産するカバが陸上で産み落とされ、衰弱していたところを職員が保護し、人工哺育で育てられました。その後、水に入る訓練を経て、無事に泳げるようになりました。モモの成長の様子はテレビ番組や絵本にもなり、多くの人に知られています。現在では、5児の母となり、家族でカバの池で過ごしています。

開園時間と料金

開園時間: 年中無休、10:00～17:00（入園は16:00まで）
料金: 大人1,900円、中高生1,300円、3歳以上小学生以下900円。団体割引や年間パスポートもあります。
園内の飲食や餌付け用の餌は別途料金がかかります。

交通アクセス

長崎市からは長崎バスの大串行きに乗車し、「バイオパークバス停」下車すぐ、または「二股バス停」下車徒歩5分です。
佐世保市からは、ハウステンボス駅前（ホテルローレライ）またはハウステンボス入国棟前から無料送迎バスが出ています。

歴史

1980年11月15日：開園
1986年3月：園内リニューアル。熱帯館、北極館オープン。ラッコの飼育開始
1987年3月：「あぶない刑事」のロケが園内で行われる
1988年：日本初の淡水エイの繁殖に成功
1991年：昆虫館オープン
1994年：カバのモモが誕生
2004年7月：民事再生法の適用を申請し倒産
2007年：新順路「トトーラの坂道」開通
2010年1月：ペンギン盗難事件
2015年：鷹島バイオパーク株式会社設立
* 2016年：鷹島モンゴル村の指定管理契約解除、休園

長崎バイオパークは、自然の中で動物たちと触れ合える魅力的な動物園です。ぜひ一度訪れて、動物たちの自然な姿を観察してみてください。

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