騎馬隊

騎馬隊とは

騎馬隊とは、馬に乗って行動する部隊のことであり、特に騎兵隊を指します。歩兵と比較して高い機動力と突撃力を持ち、歴史を通じて様々な戦場で活躍してきました。

騎馬隊の歴史

古代

古代においては、騎馬民族が強大な勢力を持つことが多く、遊牧民にとっては騎乗が基本的な技能であったため、全軍が騎馬隊という例もありました。

中世

中世になると、身分制度が発達し、騎士や武士といった身分の高い武人が騎乗し、従者が歩兵として付き従う形態が見られました。

近代

近代に入ると、身分に関わらず、戦争を有利に進めるために様々な騎馬隊が編成されました。ナポレオン時代のフランス胸甲騎兵やロシアのコサック騎兵は、特に強力な戦力として知られています。ポーランドのフサリアは16世紀から17世紀にかけて最強の騎兵とされていました。

日本では、明治時代に秋山好古がフランスで騎兵戦術を学び、近代的な騎馬隊を編成しました。この騎馬隊は、日露戦争での日本の勝利に貢献しました。

現代

現代では、ヨーロッパや米国などで警察の騎馬隊が群衆の統制などに活躍しています。また、式典での儀礼的な役割も担っています。

日本の騎馬隊

歴史

日本では、俘囚（蝦夷）から乗馬と騎射の技術が伝わり、和人も騎馬隊を組織するようになりました。古代日本の軍制が律令制に基づく軍団から国衙軍制へ転換して以降、騎馬武者とその従者が軍事力の中心となり、武士団＝騎馬隊という認識が一般的でした。

戦国時代になると、足軽が新たな戦闘力として台頭し、騎馬隊は備（そなえ）の一隊として、足軽隊が形成した前線の突破や逆襲を担う役割を担いました。一備に配備される騎馬隊は20～50騎で編成され、騎馬隊士の知行は200石から300石程度でした。

武田信玄の騎馬隊は特に有名ですが、これは甲斐や信濃国に御牧が設置され、騎馬の扱いに長けた者が多かったことや、馬の産地であったことなどが理由として挙げられています。

戦術

平安時代までは、騎射が主体でしたが、治承・寿永の乱の頃より馬ごと相手にぶつかり、馬上で組み打ちを行い、落馬させて首を取るという新たな戦闘スタイルが登場します。鎌倉時代までは流鏑馬に代表される様に騎射が主流でしたが、南北朝時代には騎射が主力となった東国に対し、西国では薙刀や金砕棒など馬を狙う武器・武術が発展しました。

戦国時代になると、槍が主要な武器となり、軍役にも装備するべき武器として記載されるようになりました。しかし、侍は自弁であったため、軍装には自由裁量が認められており、弓・鉄砲の代わりに薙刀を武家奉公人に持たせるなど、様々な武器が用いられました。

戦国時代の騎馬武者も当初は騎乗突撃を行っていましたが、足軽の増大や対騎馬隊戦法の普及により、馬から降りて戦う徒戦も行われるようになりました。しかし、状況に応じて騎乗突撃を行うなど、柔軟な運用がされていました。

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