黒湯温泉

黒湯温泉

黒湯温泉は、秋田県仙北市、乳頭温泉郷の秘湯。
温泉郷の最奥、先達川上流に位置し、標高800mと温泉郷で最も高い場所にあります。かつては亀ノ湯とも呼ばれていました。

泉質

泉質は硫黄泉。温泉名は黒湯ですが、湯の色は青みがかった乳白色をしているのが特徴です。

歴史

開湯は約300年前、1674年（延宝2年）頃と推測されています。乳頭温泉郷の中では鶴の湯温泉に次ぐ歴史を持ち、鶴の湯に因んで亀の湯という別名もありました。古くは秋田藩の湯治場として利用されていました。

その名の由来には、獣が病を癒しに来ることから「諸獣の來留湯(くるゆ)」と名付けられたという説や、湯が黒みがかって見えるから黒湯と言ったという説などがあります。戊辰戦争の際には国境警備の最前線となり、田沢村の農兵や横手の兵隊が藁葺き小屋に泊まって張り番をしたという歴史もあります。戦前は蛇捕りを副業とする老人が湯番をしており、軒には干した蛇が沢山吊るされていたそうです。

現在、乳頭温泉郷では鶴の湯が最も人気がありますが、以前は黒湯が一番人気を誇っていました。1967年（昭和42年）10月19日には、乳頭温泉郷の一部として国民保養温泉地に指定されています。

温泉地

一軒宿の「黒湯温泉」が営業しています。

茅葺き屋根、杉皮葺き屋根、周囲の雑木林から伐りだした木材をそのまま利用した露天風呂、湯小屋など、鄙びた外観が特徴です。内湯を3つ、露天風呂を2つ、打たせ湯を2つ有しています。

古くから湯治場であった伝統を色濃く残し、秘湯ブーム以降、観光地化した現在でも旅館部の他に自炊部を置いています。湯治客のほか、古くから登山客の利用も多いです。同じく一軒宿の孫六温泉とは、川にかかった人道橋を徒歩で渡ってすぐのところにあります。

乳頭温泉郷の旅館の中で唯一、冬季は休業しています（ほかの6館は通年営業）。

漫画家のつげ義春は、昭和40年代に黒湯温泉を訪れ、当時の湯治場の雰囲気を4枚のイラストにして残しています（「旅の景色」、「桃源行」）。

アクセス

鉄道

JR秋田新幹線・田沢湖線 田沢湖駅より羽後交通の路線バス「乳頭線」で約55分、終点下車後徒歩約20分。

車

国道341号から秋田県道127号駒ケ岳線・秋田県道194号西山生保内線を経由し、休暇村乳頭温泉郷の前から右手に分け入り、1.3kmほど進むと駐車場があります。駐車場の下に宿があります。

周辺情報

乳頭温泉郷
孫六温泉
一本松温泉
蟹場温泉
大釜温泉
妙乃湯温泉
鶴の湯温泉

外部リンク

黒湯温泉公式ホームページ
* 黒湯温泉 - 乳頭温泉組合

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