アリカ (チリ)

アリカ：チリ最北の港湾都市

アリカは、チリの最北部、ペルーとの国境近くに位置するアリカ・イ・パリナコータ州の州都であり、重要な港湾都市です。アタカマ砂漠の北部に位置する乾燥地帯にありながら、その独特な気候と歴史的な背景から、多くの魅力を持つ都市として知られています。2017年の国勢調査によると、人口は約20万4千人です。

歴史

アリカの地には、少なくとも1万年前から先住民が居住していたことが、考古学的調査によって明らかになっています。1541年、スペイン人のルーカス・マルティネス・デ・ベガーソによって設立され、1545年からはポトシ銀山から産出される銀の輸出港として重要な役割を担いました。ポトシ銀山は歴史上最大の銀山であり、アリカはその銀をヨーロッパへ輸送する上で、スペイン帝国にとって生命線とも言える港でした。この重要性から、フランシス・ドレークをはじめとする多くの海賊や私掠船の襲撃を受けることとなりました。

1570年にはサン・マルコス・デ・アリカとして建設され、当時はペルー領の港湾でした。1836年から1839年の間はボリビアに占領された時期もありましたが、1855年にはペルー政府によってアリカとタクナを結ぶ南米初の鉄道の一つが開通しました。この鉄道は現在も使用されています。1868年にはアリカ地震が発生し、大きな被害を受けましたが、その後復興を遂げました。1929年、アリカはチリに割譲され、現在のチリ領となりました。

交通

アリカは交通の要所としても重要な役割を担っています。ボリビアの首都ラパスやペルーのタクナへ通じる鉄道があり、パン・アメリカン・ハイウェイも通過しています。また、国際空港も備えており、国内外へのアクセスも容易です。

アリカ要塞

市街地の南側にある岩山の上には、アリカ要塞（現在は歴史軍事博物館）があります。ここは、1880年の太平洋戦争を記念して建てられたもので、当時の塹壕などが展示されています。この要塞からはアリカの街並みや太平洋を一望することができ、観光客にも人気のスポットです。

気候

アリカは砂漠気候に属し、降水量が非常に少ない地域です。しかし、年間を通して湿度が高く、曇りの日も多いため、気温は比較的低く抑えられ、過ごしやすい気候となっています。

姉妹都市

アリカは、以下のような都市と姉妹都市提携を結んでいます。

コチャバンバ（ボリビア）
ラパス（ボリビア）
サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ（ボリビア）
クイアバ（ブラジル）
ブレシュイール（フランス）
エイラート（イスラエル）
タイオハエ（フランス領ポリネシア）
モンテレイ（メキシコ）
プトゥラ・ビジャ・デ・ゲレロ（メキシコ）
アレキパ（ペルー）
モケグア（ペルー）
タクナ（ペルー）
アルティガス（ウルグアイ）
モンテビデオ（ウルグアイ）

これらの都市との交流を通じて、アリカは多様な文化に触れ、国際的な繋がりを深めています。

アリカは、その歴史、地理、気候、そして文化的な多様性から、多くの人々を魅了する都市です。観光だけでなく、交通の要所としても重要な役割を担っており、チリの発展に貢献しています。

もう一度検索