インターナショナル (ニュー・オーダーのアルバム)

ニュー・オーダーのベストアルバム『インターナショナル〜ザ・グレイテスト・ヒッツ』は、2002年、オリジナルアルバム『ゲット・レディー』発表から間もなくリリースされました。バンドにとって通算12作目、ベスト盤としては4作目となるこのアルバムは、初期の名曲から、映画『24アワー・パーティー・ピープル』のために書き下ろされた新曲「ヒア・トゥ・ステイ」まで、14曲を収録。彼らの20年以上に及ぶキャリアを凝縮した作品と言えるでしょう。

しかし、このアルバムのリリースは、バンドにとって決して平穏な時期のものではありませんでした。『ゲット・レディー』のレコーディング後、ベーシストのジリアン・ギルバートが正式に脱退。幼い子供が難病を患っており、育児に専念するためでした。

既に『ザ・ベスト・オブ・ニュー・オーダー』、『ザ・レスト・オブ・ニュー・オーダー』とベスト盤をリリースしていたニュー・オーダー。オリジナルアルバムの発表が途絶え、ベスト盤が立て続けにリリースされたことで、バンドの解散説は業界内でささやかれていました。『インターナショナル〜ザ・グレイテスト・ヒッツ』発表時、バンドは新作レコーディング中であり、翌年リリース予定とアナウンスされましたが、実際にはその後初のCD-BOX『レトロ』がリリースされ、新作アルバムの発売は2005年までずれ込みました。

この遅延とメンバー間の不和が表面化し、バンドは困難な時期を迎えたと言えるでしょう。『インターナショナル〜ザ・グレイテスト・ヒッツ』は、そのようなバンド状況の中でリリースされた、いわば時代の転換期を象徴するアルバムと言えるのかもしれません。アルバムは、バンドの軌跡をたどりながら、同時にその脆さを予感させる、複雑な意味合いを孕んでいます。

収録されている楽曲は、ニュー・オーダーの代表曲と言える名曲揃い。デビューシングル「セレモニー」から、彼らの代表曲である「ブルー・マンデー」、「トゥルー・フェイス」といったダンスミュージック史に残るアンセム、そして新曲「ヒア・トゥ・ステイ」まで、リリース順に並べられています。これらの楽曲は、ニュー・オーダーの音楽的進化と、時代背景を反映した多様なサウンドを聴くことができます。

『インターナショナル〜ザ・グレイテスト・ヒッツ』は、単なるベスト盤以上の意味を持つ作品です。ニュー・オーダーの栄光と、その影の部分、そして複雑な人間関係までもが、このアルバムを通して垣間見える、示唆に富んだ作品と言えるでしょう。それぞれの楽曲が持つ意味、そしてアルバム全体が持つ意味を深く考えることで、ニュー・オーダーというバンドへの理解がより一層深まることでしょう。

以下に、収録楽曲をリストアップします。

セレモニー (Ceremony) - 4:25
ブルー・マンデー (Blue Monday) - 7:26
コンフュージョン (Confusion) - 4:43
シーヴス・ライク・アス (Thieves Like Us) - 6:39
パーフェクト・キス (The Perfect Kiss) - 4:51
シェルショック (Shellshock) - 6:31
ビザール・ラヴ・トライアングル（エクステンデッド・ダンス・ミックス） (Bizarre Love Triangle (Extended Dance Mix)) - 6:44
トゥルー・フェイス (True Faith) - 5:52
タッチト・バイ・ザ・ハンド・オブ・ゴッド（オリジナル12"） (Touched by the Hand of God (Original 12")) - 7:05
ラウンド&ラウンド (Round & Round) - 4:01
リグレット (Regret) - 4:11
クリスタル (Crystal) - 6:52
60マイルズ・アン・アワー (60 Miles an Hour) - 4:36
ヒア・トゥ・ステイ (Here to Stay) - 3:59

これらの楽曲を聴きながら、ニュー・オーダーの歴史と、その音楽の魅力を改めて感じていただければ幸いです。

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