エアアジア・ゼスト

エアアジア・ゼストは、かつてフィリピンで運航していた格安[[航空会社]]です。その歴史は、1995年に設立されたアジアン・スピリットに遡ります。ここでは、その設立からエアアジア・フィリピンとの経営統合までの経緯、運航路線、使用機材などについて詳しく解説します。

アジアン・スピリット時代

1995年、アントニオ・トゥラルバ、エマニュエル・オニャテ、アーチボルド・ポーの3名が出資し、航空従業員協同組合（AEC）として設立されたのが始まりです。当初は「アジアン・スピリット」という名称で、2機の航空機を使用してマニラと各地のリゾートを結ぶ単純往復路線を運航していました。その後、運航効率向上のため就航地を拡大し、1997年に法人化されました。

ゼスト・エアウェイズ時代

2008年3月、フルーツジュースメーカーであるZest-O Corpのオーナー、アルフレド・M・ヤオが同社を買収し、社長に就任しました。同年9月には、社名をアジアン・スピリットからゼスト・エアウェイズに変更しました。かつてはダバオ-コロール間の国際線も運航していましたが、その後はマニラ-カティクラン線を中心とした国内線運航に注力していました。しかし、後に再び国際線の運航を再開しています。また、ジェットブルーからエアバスA320を購入し、マニラ-セブ、ダバオ線などに投入していました。2011年8月には、マニラ-クアラルンプール線の運行申請を行いました。

しかし、2013年8月16日、フィリピン民間航空局から技術的な問題や違反を指摘され、運航停止命令を受けました。これにより、8月17日から8月19日まで全便が運休となりました。

エアアジア・グループとの提携、そして統合へ

2013年3月、ゼスト・エアウェイズは、エアアジア・フィリピンとの間で戦略的な提携関係を結ぶことを発表しました。同年10月には、社名をゼスト・エアウェイズからエアアジア・ゼストに変更しました。クラーク国際空港を拠点としていたエアアジア・フィリピンの運航は2014年1月に終了し、エアアジア・ゼストがその路線を引き継ぎました。そして2016年、エアアジア・フィリピンと経営統合し、新社名はフィリピン・エアアジア（Philippines AirAsia Inc.）となりました。

保有機材

エアアジア・フィリピンとの経営統合前、2014年7月時点での保有機材は以下の通りでした。

エアバスA320
マクドネル・ダグラス MD-82/MD-83


過去には以下の機材も使用していました。

BAe ATP
BAe 146
YS-11
CASA CN-235
デ・ハビランド・カナダ DHC-7
LET L-410
マクドネル・ダグラスDC-9
西安飛機 MA60

就航路線

エアアジア・ゼストは、主にフィリピン国内線と一部の国際線を運航していました。

国内線

ルソン島

マニラ（ニノイ・アキノ国際空港） - メインハブ
プエルト・プリンセサ

ビサヤ諸島

セブ（マクタン・セブ国際空港）
イロイロ
カリボ
タクロバン
タグビララン
バコロド

ミンダナオ島

ダバオ
カガヤン・デ・オロ

国際線

韓国：ソウル/仁川
中国：上海/浦東
香港：香港
マカオ：マカオ
* マレーシア：クアラルンプール、コタキナバル

エアアジア・ゼストは、その前身であるアジアン・スピリット、ゼスト・エアウェイズから数々の変遷を経て、エアアジア・グループの一員となりました。短期間ながら、フィリピンの航空業界に足跡を残した航空会社と言えるでしょう。

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