エルヴィス・イン・ニューヨーク
『エルヴィス・イン・ニューヨーク』（As Recorded at Madison Square Garden）は、エルヴィス・プレスリーが1972年に行ったマディソン・スクエア・ガーデンでのライブを収録したアルバムです。このアルバムは、1970年の「エルビス・オン・ステージ」以来、約1年半ぶりのライブ録音であり、1972年6月19日に発売されました。
特筆すべきは、このアルバムがエルヴィスのライブコンサートを最初から最後まで収録した初のライブ・アルバムであるという点です。「エルヴィス・オン・ステージVol.2」「エルヴィス・オン・ステージVol.3」などが編集されたライブアルバムであったのに対し、このアルバムはコンサートの全貌を捉えています。
1972年6月9日から11日にかけて行われたニューヨーク公演では、計4回の公演が行われました。そのうち10日の昼公演と夜公演が録音されており、昼公演の音源は後に「アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン」として1997年に発売されました。3日間で78,000人を動員し、73万ドルの興行収入は当時のMSG記録を樹立しました。エルヴィスのニューヨーク公演は、1950年代のテレビ出演を除くと、この3日間が最初で最後となりました。
この公演に先立つ記者会見で、エルヴィスはロックンロールミュージックの質の低下を嘆き、ロックンロールをレコーディングする機会が少なくなっていると語っています。実際に1972年に録音された曲はわずか7曲でした。この公演には、デヴィッド・ボウイがジギー・スターダストのメイクと衣装で訪れ、エルヴィスの視線に圧倒されたそうです。その他にも、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、アート・ガーファンクル、テン・イヤーズ・アフター、ブルース・スプリングスティーンなど、多くの著名人が観客として訪れました。
「アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン」は、昼公演の模様を収録しており、「別れの時まで」「ブルー・スエード・シューズ」「考えなおして」「アイル・リメンバー・ユー」の4曲は夜公演では歌われていません。逆に、夜公演で歌われた「見果てぬ夢」は昼公演では歌われていません。また、夜公演での「アメリカの祈り」は、エルヴィスのおふざけが入っているのに対し、昼公演では真面目に歌われています。ピアノを担当したグレン・D・ハーディンは、「マディソン・スクエア・ガーデンでのエルヴィスは最高のパフォーマンスだった」と語っています。
2012年には、「エルヴィス・イン・ニューヨーク」と「アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン」の2枚組で、リマスター、リミックスを施した40周年記念エディション「エルヴィス・イン・ニューヨーク～40周年記念エディション(Prince From Another Planet)」が発売されました。「Prince From Another Planet」というタイトルは、ニューヨークタイムズ紙の「彼は星の王子様のように見えた」という評からきています。40周年記念エディションでは、「好きにならずにいられない」の後に収録されていた「エンド・テーマ (オーケストラ)」が別のトラックとして分割され、オープニングとエンドテーマの収録時間がわずかに延長されています。
付属のDVDには、約20分のミニドキュメンタリー、6月9日の記者会見の模様（約12分）、ファンが8mmフィルムで撮影したコンサート映像（約20分）が収録されています。8mmフィルム映像は、コンサートの全てを記録したものではなく、一部の映像が失われているため、音声と同期させるために黒い画面が表示される部分があります。
海外では、CDのみのLegacy Editionと、DVD付きのDeluxe Editionの2種類が発売されましたが、CDのみのLegacy Editionはリミックスされておらず、リマスターのみとなっています。日本では、DVD付きの40周年記念エディションのみが発売されました。
アルバムには、「ザッツ・オール・ライト」「プラウド・メアリー」「ハウンド・ドッグ」「サスピシャス・マインド」「アメリカの祈り」「好きにならずにいられない」など、エルヴィスの代表曲が数多く収録されています。参加ミュージシャンには、ジェームズ・バートン（ギター）、グレン・D・ハーディン（ピアノ）、ザ・スウィートインスピレーションズ（バッキング・ヴォーカル）などが名を連ねています。
このアルバムは、エルヴィス・プレスリーの絶頂期のライブパフォーマンスを体験できる貴重な一枚であり、彼の音楽的才能とカリスマ性を再認識させてくれます。
エルヴィス・イン・ニューヨーク収録曲
Side 1
1. オープニング:ツァラトゥストラはかく語りき(映画「2001年宇宙の旅」より)
2. ザッツ・オール・ライト
3. プラウド・メアリー
4. ネヴァー・ビーン・トゥ・スペイン
5. この胸のときめきを
6. ふられた気持
7. ポーク・サラダ・アニー
8. ラヴ・ミー
9. 恋にしびれて
10. ハートブレイク・ホテル
11. メドレー:テディ・ベア～冷たくしないで
12. ラヴ・ミー・テンダー
Side 2
1. 見果てぬ夢～「ラ・マンチャの男」より
2. メンバー紹介
3. ハウンド・ドッグ
4. サスピシャス・マインド
5. 心の想い出
6. アメリカの祈り
7. 時のたつのは早いもの
8. 愛さずにはいられない
9. 好きにならずにいられない
アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン収録曲
1. オープニング:ツァラトゥストラはかく語りき(映画「2001年宇宙の旅」より)
2. ザッツ・オール・ライト
3. プラウド・メアリー
4. ネヴァー・ビーン・トゥ・スペイン
5. この胸のときめきを
6. 別れの時まで
7. ふられた気持
8. ポーク・サラダ・アニー
9. ラヴ・ミー
10. 恋にしびれて
11. ハートブレイク・ホテル
12. メドレー:テディ・ベア～冷たくしないで
13. ラヴ・ミー・テンダー
14. ブルー・スエード・シューズ
15. 考えなおして
16. ハウンド・ドッグ
17. アイル・リメンバー・ユー
18. サスピシャス・マインド
19. メンバー紹介
20. 心の想い出
21. アメリカの祈り
22. 時のたつのは早いもの
23. 愛さずにはいられない
24. 好きにならずにいられない
参加ミュージシャン
ジェームズ・バートン - James Burton (リード・ギター)
ジョン・ウィルキンソン - John Wilkinson (リズム・ギター)
チャーリー・ホッジ - Charlie Hodge (ギター、ハーモニー・ヴォーカル)
ロニー・タット - Ronnie Tutt (ドラム)
ジェリー・シェフ - Jerry Scheff (ベース)
グレン・D・ハーディン - Glen D. Hardin (ピアノ)
ザ・スウィートインスピレーションズ - The Sweet Inspirations (バッキング・ヴォーカル)
キャシー・ウェストモートランド - Kathy Westmoreland (バッキング・ヴォーカル)
J.D.サムナー&スタンプスカルテット - J.D. Sumner & The Stamps (バッキング・ヴォーカル)
ジョー・ガルシオ&ジョー・ガルシオ・オーケストラ - Joe Guercio & Joe Guercio orchestra (オーケストラ)
特筆すべきは、このアルバムがエルヴィスのライブコンサートを最初から最後まで収録した初のライブ・アルバムであるという点です。「エルヴィス・オン・ステージVol.2」「エルヴィス・オン・ステージVol.3」などが編集されたライブアルバムであったのに対し、このアルバムはコンサートの全貌を捉えています。
1972年6月9日から11日にかけて行われたニューヨーク公演では、計4回の公演が行われました。そのうち10日の昼公演と夜公演が録音されており、昼公演の音源は後に「アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン」として1997年に発売されました。3日間で78,000人を動員し、73万ドルの興行収入は当時のMSG記録を樹立しました。エルヴィスのニューヨーク公演は、1950年代のテレビ出演を除くと、この3日間が最初で最後となりました。
この公演に先立つ記者会見で、エルヴィスはロックンロールミュージックの質の低下を嘆き、ロックンロールをレコーディングする機会が少なくなっていると語っています。実際に1972年に録音された曲はわずか7曲でした。この公演には、デヴィッド・ボウイがジギー・スターダストのメイクと衣装で訪れ、エルヴィスの視線に圧倒されたそうです。その他にも、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、アート・ガーファンクル、テン・イヤーズ・アフター、ブルース・スプリングスティーンなど、多くの著名人が観客として訪れました。
「アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン」は、昼公演の模様を収録しており、「別れの時まで」「ブルー・スエード・シューズ」「考えなおして」「アイル・リメンバー・ユー」の4曲は夜公演では歌われていません。逆に、夜公演で歌われた「見果てぬ夢」は昼公演では歌われていません。また、夜公演での「アメリカの祈り」は、エルヴィスのおふざけが入っているのに対し、昼公演では真面目に歌われています。ピアノを担当したグレン・D・ハーディンは、「マディソン・スクエア・ガーデンでのエルヴィスは最高のパフォーマンスだった」と語っています。
2012年には、「エルヴィス・イン・ニューヨーク」と「アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン」の2枚組で、リマスター、リミックスを施した40周年記念エディション「エルヴィス・イン・ニューヨーク～40周年記念エディション(Prince From Another Planet)」が発売されました。「Prince From Another Planet」というタイトルは、ニューヨークタイムズ紙の「彼は星の王子様のように見えた」という評からきています。40周年記念エディションでは、「好きにならずにいられない」の後に収録されていた「エンド・テーマ (オーケストラ)」が別のトラックとして分割され、オープニングとエンドテーマの収録時間がわずかに延長されています。
付属のDVDには、約20分のミニドキュメンタリー、6月9日の記者会見の模様（約12分）、ファンが8mmフィルムで撮影したコンサート映像（約20分）が収録されています。8mmフィルム映像は、コンサートの全てを記録したものではなく、一部の映像が失われているため、音声と同期させるために黒い画面が表示される部分があります。
海外では、CDのみのLegacy Editionと、DVD付きのDeluxe Editionの2種類が発売されましたが、CDのみのLegacy Editionはリミックスされておらず、リマスターのみとなっています。日本では、DVD付きの40周年記念エディションのみが発売されました。
アルバムには、「ザッツ・オール・ライト」「プラウド・メアリー」「ハウンド・ドッグ」「サスピシャス・マインド」「アメリカの祈り」「好きにならずにいられない」など、エルヴィスの代表曲が数多く収録されています。参加ミュージシャンには、ジェームズ・バートン（ギター）、グレン・D・ハーディン（ピアノ）、ザ・スウィートインスピレーションズ（バッキング・ヴォーカル）などが名を連ねています。
このアルバムは、エルヴィス・プレスリーの絶頂期のライブパフォーマンスを体験できる貴重な一枚であり、彼の音楽的才能とカリスマ性を再認識させてくれます。
エルヴィス・イン・ニューヨーク収録曲
Side 1
1. オープニング:ツァラトゥストラはかく語りき(映画「2001年宇宙の旅」より)
2. ザッツ・オール・ライト
3. プラウド・メアリー
4. ネヴァー・ビーン・トゥ・スペイン
5. この胸のときめきを
6. ふられた気持
7. ポーク・サラダ・アニー
8. ラヴ・ミー
9. 恋にしびれて
10. ハートブレイク・ホテル
11. メドレー:テディ・ベア～冷たくしないで
12. ラヴ・ミー・テンダー
Side 2
1. 見果てぬ夢～「ラ・マンチャの男」より
2. メンバー紹介
3. ハウンド・ドッグ
4. サスピシャス・マインド
5. 心の想い出
6. アメリカの祈り
7. 時のたつのは早いもの
8. 愛さずにはいられない
9. 好きにならずにいられない
アフタヌーン・イン・ザ・ガーデン収録曲
1. オープニング:ツァラトゥストラはかく語りき(映画「2001年宇宙の旅」より)
2. ザッツ・オール・ライト
3. プラウド・メアリー
4. ネヴァー・ビーン・トゥ・スペイン
5. この胸のときめきを
6. 別れの時まで
7. ふられた気持
8. ポーク・サラダ・アニー
9. ラヴ・ミー
10. 恋にしびれて
11. ハートブレイク・ホテル
12. メドレー:テディ・ベア～冷たくしないで
13. ラヴ・ミー・テンダー
14. ブルー・スエード・シューズ
15. 考えなおして
16. ハウンド・ドッグ
17. アイル・リメンバー・ユー
18. サスピシャス・マインド
19. メンバー紹介
20. 心の想い出
21. アメリカの祈り
22. 時のたつのは早いもの
23. 愛さずにはいられない
24. 好きにならずにいられない
参加ミュージシャン
ジェームズ・バートン - James Burton (リード・ギター)
ジョン・ウィルキンソン - John Wilkinson (リズム・ギター)
チャーリー・ホッジ - Charlie Hodge (ギター、ハーモニー・ヴォーカル)
ロニー・タット - Ronnie Tutt (ドラム)
ジェリー・シェフ - Jerry Scheff (ベース)
グレン・D・ハーディン - Glen D. Hardin (ピアノ)
ザ・スウィートインスピレーションズ - The Sweet Inspirations (バッキング・ヴォーカル)
キャシー・ウェストモートランド - Kathy Westmoreland (バッキング・ヴォーカル)
J.D.サムナー&スタンプスカルテット - J.D. Sumner & The Stamps (バッキング・ヴォーカル)
ジョー・ガルシオ&ジョー・ガルシオ・オーケストラ - Joe Guercio & Joe Guercio orchestra (オーケストラ)
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