オペラシアターこんにゃく座

オペラシアターこんにゃく座は、1971年に創立された日本のオペラカンパニーです。通称「こんにゃく座」として親しまれています。

概要

こんにゃく座は、言葉（日本語）がはっきりと伝わるオペラの創作・上演を目的として設立されました。その歩みは、1965年に東京芸術大学声楽科の学生たちが結成した「こんにゃく体操クラブ」に遡ります。学内芸術祭でのオペラ上演を経て、1971年に有志8名で「オペラ小劇場こんにゃく座」を設立、1974年に本格的な旗揚げ公演を行いました。

この年、劇団は音楽監督として作曲家の林光氏を迎えました。1984年にはモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」を上演しますが、その後一時解散の危機を迎えます。しかし、劇団員たちは活動継続を決意し、1985年に「オペラシアターこんにゃく座」と改名し、新たなスタートを切りました。

近年では、年に2～3回の主催公演に加え、全国の学校や劇場で年間200～300公演を継続的に行っています。

演奏形式

こんにゃく座のオペラは、グランド・オペラのような大編成のオーケストラではなく、ピアノ伴奏を基本としています。多くの場合、役者自身が打楽器や鍵盤ハーモニカを演奏することもあります。これは、一般的な「オーケストラ伴奏のオペラをピアノで代用する」のではなく、「ピアノ一台で演奏するために書かれたオペラ」という点が特徴です。そのため、これらのオペラは「ピアノ・オペラ」と呼ばれることもあります。

代表的な作品には、「白墨の輪」（林光作曲）や「金色夜叉」（萩京子作曲）などがあります。演目によっては、クラリネットやヴァイオリンが加わったり、小編成のオーケストラが参加するものもありますが、ピアノは必ず使用されています。ピアノを全く使用しない演目は少なく、「北守将軍と三人兄弟の医者」（萩京子作曲）や「鹿踊りのはじまり」（林光作曲）などが例外です。

歌唱表現は、言葉が聞き取りやすいことを重視しているため、ベルカント唱法は用いず、マイクも使用しません。あくまで生演奏にこだわり、音響スタッフとの関わりも少ないですが、効果音として爆撃音を使用する場合もあります。

演目

初期の演目には、「あまんじゃくとうりこひめ」や「おこんじょうるり」のような民話を題材にしたオペラが多く見られます。その後、宮沢賢治の作品をオペラ化した「セロ弾きのゴーシュ」などが上演されるようになり、シェイクスピア作品など海外の戯曲や文学作品も積極的に取り上げています。

こんにゃく座の公演は、演劇的な要素が強いためミュージカルと見なされることもありますが、ほとんどの作品には「オペラ」というタイトルがつけられており、オペラであることを強く意識しています。モーツァルトの「魔笛」を翻案した「魔法の笛」のみ「歌芝居」となっていますが、これは「魔笛」が厳密にはオペラではなくジングシュピールであることに由来します。

劇団員

作曲家には、萩京子氏がいます。

かつて所属していた劇団員には、多田羅迪夫氏、松下武史氏、佐山陽規氏、竹田恵子氏などがいます。

主な作品

モーツァルトの「フィガロの結婚」と「魔法の笛」を除く多くの作品は、林光氏と萩京子氏によって作曲されています。1971年の設立以来、約70作品の新作オペラを制作・上演してきました。

オペラ『あまんじゃくとうりこひめ』（林光）
オペラ『セロ弾きのゴーシュ』（林光）
オペラ『森は生きている』（林光）
オペラ『変身』（林光）
オペラ『イヌの仇討あるいは吉良の決断』（林光）
オペラ『CLUB MACBETH』（林光）
オペラ『金色夜叉』（萩京子）
オペラ『ロはロボットのロ』（萩京子）
オペラ『想稿・銀河鉄道の夜』（萩京子）
オペラ『おぐりとてるて―説教節「小栗判官照手姫」より―』（萩京子）
オペラ『グスコーブドリの伝記』（寺嶋陸也）
オペラ『あん』（寺嶋陸也）
オペラ『ルドルフとイッパイアッテナ』（信長貴富）
オペラ『フィガロの結婚』（モーツァルト）
歌芝居『魔法の笛』（モーツァルト）
喜歌劇『天国と地獄』（オッフェンバック）
オペラ『アイツは賢い女のキツネ』（ヤナーチェク）
オペラ『遠野物語』（萩京子、吉川和夫、寺嶋陸也）

関連項目

日本の劇団一覧

外部リンク

公式ホームページ
こんにゃくん (@konnyakuza) - X（旧Twitter）
オペラシアターこんにゃく座 (konnyakuza) - Facebook
* オペラ研究所･オペラ情報センター'>昭和音楽大学オペラ研究所･オペラ情報センター

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