オリバー・シンジョン

サー・オリバー・シンジョンの生涯と業績

サー・オリバー・シンジョン（Sir Oliver St John, 1598年頃 - 1673年）は、清教徒革命中におけるイングランドの弁護士であり政治家として知られています。彼は内戦において議会派の指導者として活躍し、イングランド共和国の成立後はオリバー・クロムウェルの重要な盟友としてその後を支えました。

初期の人生

オリバー・シンジョンは、同名のオリバー・シンジョンとサラ・バルクリーの子として生を受けました。ケンブリッジ大学を卒業後、リンカーン法曹院を経て法廷弁護士としての道を歩み始めます。彼の政治活動は、ピューリタン貴族であるウォリック伯ロバート・リッチとの出会いから始まり、オリバー・クロムウェルやジョン・ピム、ジョン・ハムデンといった重要な人物たちと関係を結びました。

シンジョンは1629年、ピムやウォリック伯と共にプロヴィデンス島会社を設立し、カリブ海での植民事業やスペインとの抗争を推進しました。同社は1640年代に倒産しますが、シンジョンはその後も重要な政治的グループの一員として活動を続けます。特に、ハムデンが船舶税の支払いを拒否した際には、その弁護を担当しました。

清教徒革命と内戦

1640年、小シンジョンは短期議会と長期議会において庶民院議員に選出されます。彼はピムやハムデンのグループに属し、チャールズ1世の親政を批判する運動に参加しました。チャールズ1世から法務次官に任命されましたが、彼はピムに忠実であり、1641年にはピムの計画を支持しストラフォード伯を私権剥奪で抹殺することに賛成しました。

1642年に始まった第一次イングランド内戦には当初は目立った関与を示さなかったシンジョンですが、翌1643年にピムが病死するやいなや、彼はピムの後継者の一人として議会派を率いるようになります。彼は有力な軍人であるクロムウェルを支持し、王党派に対して積極的な姿勢を示しました。また、シンジョンはスコットランド国民盟約との調整にも尽力し、内戦の戦略を実行に移しました。

政治活動とイングランド共和国

クロムウェルからの信頼も厚く、シンジョンはしばしば彼の相談役となりました。特に、信仰の自由に関する法案を議会に提出し、可決に至りますが、その後の対応では盟約派と長老派からの反発を受けることとなります。内戦が激化する中、シンジョンは独立派に属し、ニューモデル軍を支持しますが、平等派の指導者ジョン・リルバーンから否定的に評価されています。

1646年に内戦が終結し、長老派が排除されたイングランド共和国が成立すると、シンジョンはクロムウェルとの関係を保ちながら、政治的安定に向けた議論を進めます。彼はまた、外交使節としてオランダとの交渉にも携わりますが、その結果は決裂し、第一次英蘭戦争の引き金となります。

晩年

クロムウェルの死後、王政復古の動きに対してはジョージ・マンクを支持しましたが、1660年の王政復古後、シンジョンは公職を追放され、大陸へ亡命します。スイスやドイツなどを転々としながら過ごした彼は、1673年に生涯を終えました。

家族

シンジョンは最初、サー・ジョン・アルサムの娘ジョヴァンナ・アルサムと結婚し、2人の息子と2人の娘をもうけました。その後、1638年にヘンリー・クロムウェルの娘エリザベスと再婚し、2人の息子を授かりましたが、彼女と死別した後に再々婚を果たしました。彼の子どもたちもそれぞれ政治的な道を歩むこととなります。特に、初代ボリングブルック子爵ヘンリー・シンジョンはオリバー・シンジョンの曾孫に当たります。

サー・オリバー・シンジョンの生涯は、イングランドの政治史において非常に重要な役割を果たしました。彼の活動や思想は、当時の社会に大きな影響を与え、その後の歴史においても語り継がれています。

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