クトゥルフの一族

クトゥルフの血族：旧支配者の系譜と眷属

この文章では、クトゥルフ神話における旧支配者クトゥルフとその一族、近縁種、眷属について解説します。クトゥルフはアザトースやヨグ＝ソトースの子孫とされ、ツァトゥグァとも血縁関係を持つとされています。特に、ハスターはクトゥルフの宿敵である半兄弟として知られています。ここでは、これらの主要な邪神の設定については割愛し、クトゥルフの血筋を引く存在たちに焦点を当てていきます。

クトゥルフの種族

クトゥルフ神話には、クトゥルフと同様の生物が登場します。H.P.ラヴクラフトの1926年作品『クトゥルフの呼び声』で初登場したクトゥルフは、1931年の『狂気の山脈にて』で一族と共に地球に飛来したと描写されています。「陸棲種族」「タコに似た宇宙生命体」といった表現で特徴付けられる彼らですが、その具体的な種族名については、クトゥルフの落とし子、クルウルウの末裔など、複数の呼称が存在します。オーガスト・ダーレスは、小型のクトゥルフを数多く作品に取り入れ、ブライアン・ラムレイは「クトゥルヒ（クトゥリー）」という種族名を提唱しています。

クトゥルフ神話TRPGでは、5体のエリートな小型クトゥルフが、世界各地でルルイエの浮上兆候を監視しているとされています。その拠点は、中国の山脈、アイレムの砂漠の地下、グリーンランドの氷河、ボストンまたはロードアイランドの邸宅地下、そして南米アマゾン川流域とされています。ダーレスの作品にも「クトゥルフの落とし子」と呼ばれる怪物が登場し、湖底の恐怖や不可解な現象に関連付けられています。中には、クトゥルフの落とし子をオリーブオイルで調理して食べるという奇想天外な描写も見られます。

クトゥルフの子供たち：ゾス三神とクティーラ

クトゥルフの子供たちとして、ガタノソア、イソグサ、ゾス＝オムモグの三兄弟からなるゾス三神がいます。彼らはムー大陸や太平洋海域で信仰されていました。H.P.ラヴクラフトがガタノソアを創造した後、リン・カーターがクトゥルフの子としてゾス三神を創作しました。クティーラは、ゾス三神の妹で、ブライアン・ラムレイによって創造されたクトゥルフの娘です。これらの存在は、『無名祭祀書』『ポナペ経典』『ザントゥー石板』『ネクロノミコン（カーター版）』といった文献に記述されています。リン・カーターの『超時間の恐怖』シリーズはゾス三神をテーマとし、日本語版は『クトゥルーの子供たち』として刊行されています。

ガタノソア (Ghatanothoa): 長男。
イソグサ (Ythogtha): ムー大陸の深淵に封印されている次男。兄とは不仲、弟とは良好な関係にあるとされています。
ゾス＝オムモグ (Zoth-Ommog): ポナペ沖の海底に眠る末弟。
クティーラ (Cthylla): 「クトゥルフの秘められし胤」と呼ばれるクトゥルフの娘。あらゆる記録から抹消され、隠されています。クトゥルフの復活のための保険ともいわれ、ダゴンとヒュドラに護衛されています。ブライアン・ラムレイの『タイタス・クロウの帰還』などに登場します。

クタニド：クトゥルフの兄弟？

クタニド（Kthanid、サニドとも表記）は、クトゥルフに瓜二つの容姿を持つ旧神の一柱です。ブライアン・ラムレイによって創造され、「クタニド帝」と呼ばれ、旧神たちの指導者として、旧神郷エリシア（イリジア）の宮殿に住むとされています。35億年前にクトゥルフが反逆したため、彼らをエリシアから追放しました。彼は異種族と子供を作ることができ、その遠い子孫にタイタスの伴侶となるティアニア姫がいます。クトゥルフそっくりの存在が旧神の統率者という設定は、ラムレイ以外ではほとんど扱われていません。

その他の近縁種・眷属

イダ＝ヤアー (Idh-Yaa): ゾス三神とクティーラの母親。
カソグサ (Kassogtha): クトゥルフの姉妹であり、3番目の妻。ヌクトーサとヌクトルーの母親。
ヌクトーサ (Nctosa) とヌクトルー (Nctolhu): クトゥルフとカソグサの双子の娘たち。木星の大赤斑に幽閉されている。
ドヌムル (D'numl): クトゥルフの従姉妹。
ダゴンとヒュドラ: クトゥルフの眷属として重要な存在。
ウブ (Ubb): ユッギャ種族の長。イソグサとゾス＝オムモグの従神。

関連作品

『超時間の恐怖』シリーズ：ゾス三神をテーマとするシリーズ。
『クトゥルーの子供たち』：ゾス三神に関する日本語版単行本。
* 『タイタス・クロウの帰還』：クティーラとクタニドの初出作品。

この文章では、クトゥルフとその一族、眷属について多様な視点から解説しました。クトゥルフ神話の世界観をより深く理解する上で、これらの情報が役立つことを願っています。それぞれの存在の詳細は、関連作品を参照することをお勧めします。

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