シブガトゥッラー・ムジャッディディー

シブガトゥッラー・ムジャッディディーの生涯

シブガトゥッラー・ムジャッディディー（1925年4月21日 - 2019年2月11日）は、アフガニスタンの政治家であり、イスラム教の指導者でもありました。彼は、アフガニスタン・イスラム国の臨時大統領、そしてアフガニスタン・イスラム共和国の長老議会（上院）議長という要職を歴任し、アフガニスタンの激動の歴史に深く関わりました。

生い立ちと教育

1925年、ムジャッディディーはカーブルで、ナクシュバンディー教団の指導者の子孫として生まれました。1944年にカーブルのマドラサを卒業後、カーブル大学に進学。さらに、1948年から1953年までエジプトのアル＝アズハル大学で学び、修士号を取得しました。この時期、ムスリム同胞団との関係を持ったことが原因で、1954年にエジプトから国外追放されることになります。

アフガニスタンでの活動

帰国後の1954年、ムジャッディディーはカーブルの各種学校で神学講師として教鞭を執りました。しかし、1960年にはニキータ・フルシチョフに対する暗殺計画に関与したとして逮捕・起訴され、1964年には教職を禁止された上で釈放、国外へ移住することになりました。

1966年にアフガニスタンに帰国。1970年初めにはカーブルで大規模なデモを組織し、1971年にはムハンマド・ウラマー協会を創設しました。しかし、同年には再びアフガニスタンを離れ、パキスタン、後にアメリカへと移住しています。1977年から1979年2月までは、コペンハーゲンのモスク院長、イスラム・センター指導者として活動しました。

政治活動とアフガニスタン紛争

1979年初め、アフガニスタン人民民主党政権によって、ムジャッディディー氏族の21人が処刑されるという事件が起こりました。これを受け、ムジャッディディーは同年3月にパキスタンに渡り、アフガニスタン救国民族戦線の指導者となります。同年3月12日には、アフガニスタン人民民主党に対するジハードを呼びかけるファトワーを布告し、5月にはアメリカに渡って軍事援助を要請しました。

1989年2月、ペシャーワルでの野党会議において、暫定政府大統領に選出され、1992年4月24日には、ムジャーヒディーンの会議で2ヶ月間の任期で暫定ムジャーヒディーン会議議長として承認されました。そして、1992年4月28日から6月28日まで、アフガニスタン・イスラム国の元首（大統領）代行を務めました。その後、ブルハーヌッディーン・ラッバーニーに権力を委譲し、パキスタンやデンマークに出国しました。

ムジャッディディーは、ターリバーン政権に対しては批判的な立場を取りながらも、定期的な交渉を行っていました。

アフガニスタン復帰と晩年

2001年末、ムジャッディディーはアフガニスタンに帰国しました。2003年12月15日には、ロヤ・ジルガ議長に就任。2005年には、大統領附属和解委員会議長を務めました。

2005年12月には、ハーミド・カルザイ大統領によって長老議会（上院）議員に任命され、12月20日には上院議長に選出されました。2011年には議員に再選。2015年8月26日には、新党「聖戦と国民政治評議会」を結成しました。2019年2月11日、カーブルの病院で93歳で生涯を閉じました。

人物像

ムジャッディディーは、最初の妻（アフガニスタン人民民主党政治局員スレイマン・ラエクの妹）と死別した後、再婚しています。彼には7人の息子がいましたが、そのうちの一人は暗殺されています。

ムジャッディディーの生涯は、アフガニスタンの激動の歴史を反映しており、彼の活動は政治、宗教の両面から大きな影響を与えました。

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