ジェリー・ブラックウェル

ジェリー・ブラックウェルとは

ジェリー・ブラックウェル（"Crusher" Jerry Blackwell）、1949年4月26日生まれ、1995年1月22日に他界したアメリカ合衆国のプロレスラーです。彼はジョージア州ストーン・マウンテン出身で、「The Man Mountain from Stone Mountain」という異名を持ち、その巨体で多くのファンを惹きつけました。アメリカではAWA、日本では全日本プロレスを拠点に、多くの戦いを繰り広げました。

プロレスキャリアの始まり

ブラックウェルは1974年にプロレスデビューを果たしました。彼はジノ・ブリットの指導を受け、特にジョージア州やフロリダ地区でNWAの南部テリトリーを転戦しました。1976年には、クラッシャー・ブラックウェルというリングネームでニューヨークのWWWFに登場し、ヒールとして活動を始めました。そこで、バグジー・マグローとのタッグチームで頭角を現し、アーニー・ラッドやスパイロス・アリオンといったレスラーのパートナーとしても活躍しました。

1977年にはNWAセントラル・ステーツ地区に拠点を移し、バック・ロブレイとタッグを組んでNWA世界タッグ王座を獲得。続く1978年には、WWWFヘビー級王座に挑戦するなど、勢いを増していきました。彼のキャリアの中で数多くのタイトルを獲得し、1979年からはサウスイースタン・チャンピオンシップ・レスリングでもダブルチャンピオンの経験があります。

AWAでの活動

1980年代に入ると、ブラックウェルはAWAに参戦し、ビッグ・ジョン・スタッドとのコンビで活動を広げました。1981年の後半には、ジェシー・ベンチュラやアドリアン・アドニスとともに悪役トリオを結成し、当時人気のあったハルク・ホーガンと抗争を繰り広げました。また、アンドレ・ザ・ジャイアントもこの抗争に関与し、スーパーヘビー級による壮絶な戦いが展開されました。

権威あるタイトル獲得

1983年にはミズーリ州セントルイスで、ケリー・フォン・エリックからミズーリ・ヘビー級王座を獲得。短期間での失冠も経験しましたが、1984年には再び王座を奪回。彼のキャリアの中では、数回にわたりリック・フレアーに挑戦するなど、一流のレスラーとして知られる存在でした。

ダイナミックなスタイル

ブラックウェルはその体格を活かし、パワフルでダイナミックなリングスタイルを展開しました。特にビッグ・スプラッシュ、エルボー・ドロップ、ドロップキック、ヘッドバットといった技は彼の得意技として知られています。対戦相手に対して肉体的なプレッシャーをかけるスタイルは、多くの観客に支持されました。

日本での活動

ブラックウェルは1970年代後半から日本のプロレスにも関与。全日本プロレスに通算7回来日し、特にジャンボ鶴田との試合は注目を集めました。また、1984年にはインターナショナル・タッグ王座の新王者チーム決定戦に出場し、その存在感を再確認させる試合を見せました。

晩年と遺産

1989年に引退後は地元ジョージアでインディー団体のプロモート業に携わりましたが、1994年に交通事故に遭い、翌1995年には健康問題が重なり45歳で他界しました。彼の人生は体重や健康問題に悩まされることもありましたが、ハードにプロレスリングを続けた姿勢は多くのファンに愛されました。

ブラックウェルの名は、巨漢レスラーとしての存在感と彼の肉体的な技術により、特に1980年代に記憶され続けています。他のレスラーにも多大な影響を与え、今なおプロレス界の歴史に名を刻んでいます。

もう一度検索