バグジー・マグロー

バグジー・マグロー、本名マイケル・デイビスは、1945年生まれのアメリカ合衆国出身の元プロレスラーです。巨漢を活かしたラフ&パワーなファイトスタイルで、WWWFやNWAといった主要プロレス団体で活躍しました。昭和期の日本にも度々来日し、その存在感を示しました。

初期のキャリアと変遷
1967年にトム・ジョーンズの指導を受けプロレスラーとしてデビュー。初期は様々なリングネームを使い、NWAの各地を転戦しました。フロリダでは覆面レスラー「ザ・ビッグO」として活動するも、コントラマッチに敗れ素顔を晒すことになります。その後、「ビューティフル・ブルータス」というスキンヘッドの巨漢ヒールとしてフロリダでブラスナックル王座を獲得。AWA中西部ヘビー級王座を巡り、スタン・プラスキーらと激闘を繰り広げました。

1972年には「マイティ・ブルータス」として日本プロレスに初参戦。ワールドリーグ戦ではジャイアント馬場、坂口征二、大木金太郎といった強豪には敗れたものの、中堅レスラーには勝利し、外国人選手の中では上位の成績を収めました。その後「ザ・ブルート」と改名し、カナダのバンクーバー地区でNWA太平洋岸ヘビー級王座を獲得。国際プロレスにも「ザ・ブルート」として参戦し、ラッシャー木村やグレート草津と金網デスマッチで激突しました。

WWWF/WWFでの活躍
1975年からは、バグジー・マグローのリングネームでWWWFに登場。「ばい菌」を意味する"Bugsy"を冠したこのリングネームは、彼のダーティーなキャラクターを象徴していました。キャプテン・ルー・アルバーノをマネージャーに迎え、ブルーノ・サンマルチノのWWWFヘビー級王座に挑戦。ゴリラ・モンスーン、ボボ・ブラジルといった人気レスラーと対戦し、ヒールとして存在感を発揮しました。

1978年には新日本プロレスのMSGシリーズに参戦。アントニオ猪木、藤波辰巳、アンドレ・ザ・ジャイアントらと対戦しました。

ベビーフェイスへの転向とフロリダでの人気
1970年代末からはNWAフロリダ地区を主戦場とし、サー・オリバー・フンパーディンクのファミリーに加入。しかし、後にフンパーディンクと仲間割れし、ベビーフェイスに転向。アンコ型の体型に禿げ上がった頭、髭面という容姿でしたが、コミカルで陽気なキャラクターが子供たちの人気を集め、ダスティ・ローデスに次ぐ人気者となりました。ドン・ムラコ、イワン・コロフといったヒール勢との抗争は、フロリダのプロレスファンを熱狂させました。

晩年と引退後
その後もフロリダを拠点に活動し、テキサスのWCCWにも参戦。ブルーザー・ブロディからテキサス・ブラスナックル王座を奪取しました。1981年には全日本プロレスに再来日し、ザ・シークとタッグを組み、ジャンボ鶴田&リッキー・スティムボート組と対戦。ジャイアント馬場とのシングルマッチも実現しました。

1984年には全日本プロレスに再び参戦。スタン・ハンセンのPWFヘビー級王座に挑戦しました。晩年はベテランとしてワフー・マクダニエルやブラックジャック・マリガンとタッグを組むなど、活躍を続けましたが、1991年に引退。引退後は医療機関で看護師として働き、フロリダで行われるオールドタイマーのリユニオンイベントにも参加しています。2019年には自伝を発表しました。

得意技
エルボー・ドロップ
ダイビング・ボディ・プレス
* ベアハッグ

獲得タイトル
バグジー・マグローは、そのキャリアの中で数々のタイトルを獲得しました。AWA中西部ヘビー級王座、NWA太平洋岸ヘビー級王座、NWA豪亜タッグ王座、NWAフロリダ・ヘビー級王座、NWAテキサス・ブラスナックル王座など、獲得タイトルからも彼の輝かしい功績を伺い知ることができます。

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