ジュラシック・ワールド/復活の大地

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』（原題: Jurassic World: Rebirth）は、2025年に公開されるアメリカ合衆国のSFアクション映画です。監督はギャレス・エドワーズ、脚本はデヴィッド・コープが担当しています。

本作は、2022年の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から独立した続編であり、『ジュラシック・ワールド』シリーズとしては4作目、『ジュラシック・パーク』のフランチャイズ全体では7作目に位置づけられます。これまでのシリーズとは異なり、スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリーといった新たなアンサンブルキャストが中心となり、ルパート・フレンド、マヌエル・ガルシア＝ルルフォ、ルナ・ブレイズ、デヴィッド・アイアコノ、エド・スクラインらが脇を固めます。

ストーリー

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』での出来事から5年後、地球の環境は恐竜にとって必ずしも生存に適さない状況にあることが判明します。現在生き残っている恐竜たちは、かつての豊かな環境に似た、人里離れた熱帯地域で見られるようになっています。

物語の中心となるのは、秘密工作員のゾーラ・ベネットです。彼女は遺伝子研究を行う製薬会社パーカー・ジェニングスから依頼を受け、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士やチームリーダーのダンカン・キンケイドらと共に極秘任務を遂行します。彼らの目標は、将来的なワクチン開発のために、ティタノサウルス、ケツァルコアトルス、モササウルスといった陸、海、空を代表する恐竜からDNAサンプルを回収することです。これらの大型恐竜は回復力が高く、陸海空を網羅することで、より汎用性の高いワクチンが生成され、人間の命を救う鍵が隠されていると考えられているためです。

ゾーラ率いる派遣チームは、カリブ海のバルバドスから船で東へ出港し、バルバドス東方、南米スリナム北方の位置する、立ち入りが禁止されたある孤島を目指します。しかし、島に近づきモササウルスからDNAを採取しようとした際、3匹のスピノサウルスが出現し、モササウルスとの争いに巻き込まれてしまいます。結果として彼らはスピノサウルスの襲撃を受け船は転覆。ゾーラたちは、偶然島近くまで来ていた一般人の家族と遭遇し救助されますが、両者は漂着した島で孤立する事態となります。

島に上陸したゾーラたちは、この島がかつてジョン・ハモンドのインジェン社が、イスラ・ヌブラル島に「ジュラシック・パーク」を作る以前に、恐竜製造の実験研究施設として利用していた秘密の場所であったことを知ります。インジェン社が過去の失敗実験を理由に撤退した後、生み出された恐竜や施設は全て島に放棄され、その存在は隠蔽されたまま秘密とされていたのです。そして、この島が数十年にわたり、失敗作とされる突然変異した恐竜たちの生息地として独自に発展していた場所だと気づきます。

ゾーラは、残された空や陸の恐竜から引き続きDNAサンプルを得る任務を続行しますが、一方で、雇い主であるマーティンに不信感を抱き、チーム内に恐竜のDNAサンプルを別の企業へ横流ししようと企む裏切り者がいることに気づきます。追い詰められる中、彼らは檻を破って現れた突然変異種の恐竜、ディストートゥス・レックスの追跡をかわしながら、島からの脱出を模索します。

キャスト

ゾーラ・ベネット：秘密工作員。演 - スカーレット・ヨハンソン。
ダンカン・キンケイド：チームリーダーの船長。ゾーラが兄弟のように信頼を寄せる。演 - マハーシャラ・アリ。
ヘンリー・ルーミス博士：古生物学者。ゾーラに好意を持つ。演 - ジョナサン・ベイリー。
マーティン・クレブス：製薬会社パーカー・ジェニングスの営業担当者。演 - ルパート・フレンド。
ルーベン・デルガド：難破した一般人家族の父親。演 - マヌエル・ガルシア＝ルルフォ。
テレサ・デルガド：ルーベンの長女。演 - ルナ・ブレイズ。
ゼイビア・デルガド：ルーベンの息子。演 - デヴィッド・アイアコノ。
イザベラ・デルガド：ルーベンの末娘。演 - オードリナ・ミランダ。
ゾーラのチームメンバー：演 - フィリッピーヌ・ヴェルジュ、ベシール・シルヴァン。
アトウォーター：演 - エド・スクライン。

登場する恐竜・古生物

これまでのシリーズでお馴染みのディロフォサウルス、モササウルス、ケツァルコアトルス、パラサウロロフス、トリケラトプス、ヴェロキラプトル、ティラノサウルス・レックスに加え、本作ではいくつかの特徴的な恐竜が登場します。

スピノサウルス：島に生息する肉食獣脚類。本作では、近年の古生物学研究に基づき、四足歩行で遊泳する姿にデザインが変更されており、シリーズ3作目の個体とは大きく異なります。物語冒頭でゾーラたちを襲撃します。
ティタノサウルス：DNA回収のターゲットとなる大型竜脚類。
ティラノサウルス・レックス：これまでのシリーズとは異なる、島で独自に生み出された縞模様のある灰色の個体が登場します。
ディストートゥス・レックス：本作に登場する架空の突然変異恐竜です。名前は「歪み」を意味し、異常な姿形に由来します。ティラノサウルスに似た小さな腕に加え、ゴリラのように長く大きな腕が4本あり、それを使って移動や物を掴みます。目は小さく、カエルのような足とティラノサウルスの下半身を併せ持ち、異常な成長速度で巨大化しています。インジェン社が過去に行ったT-Rex製造実験の失敗によって生まれた生物で、実験目的で処分されずに隠されていました。ギャレス・エドワーズ監督によると、デザインはT-Rexに加え、『スター・ウォーズエピソード6/ジェダイの帰還|スター・ウォーズエピソード6_ジェダイの帰還』のランコアや『エイリアン』のゼノモーフからインスピレーションを得ています。
* ミュータドン：もう1体の架空の突然変異恐竜です。ヴェロキラプトルのDNAに翼竜の要素を加えて改変されたとされ、「翼竜とラプトルの融合」として考案されました。

舞台となった島

本作の主な舞台は、これまでのコスタリカ沖（イスラ・ヌブラル島、イスラ・ソルナ島）とは異なり、中南米バルバドス東方、スリナム北方の位置する大西洋上の孤島です。この島は、ジョン・ハモンドのインジェン社がかつて秘密裏に恐竜製造実験を行っていた研究施設の跡地です。インジェン社撤退後、施設や失敗作と見なされた恐竜たちは島に放棄され、立ち入り禁止区域とされていましたが、島の恐竜たちは絶滅せず、独自の生態系を築いていました。島には古代マヤ・アステカ文明を思わせる神殿の遺跡も存在します。

制作背景

脚本は、『ジュラシック・パーク』（1993年）と『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』（1997年）も手掛けたベテラン脚本家デヴィッド・コープが担当しました。当初は続編への参加を断っていましたが、最終的に復帰し、シリーズの原点であるマイケル・クライトンの小説を読み直し、映画ではカットされた要素（例: 筏でT-Rexから逃げるシーン）を取り入れています。

エグゼクティブ・プロデューサーとしてスティーブン・スピルバーグが復帰し、プロデュースはフランク・マーシャルとパトリック・クロウリーが手掛けます。これまでの『ジュラシック・パーク』や『ジュラシック・ワールド』三部作の主要キャストは、本作には出演しない方針が取られました。制作陣は、特にオリジナルの『ジュラシック・パーク』が持っていた雰囲気への「原点回帰」を目指しており、創造的なコントロールを重視しています。古生物学者のスティーブン・ブルサッテが、前作に引き続き恐竜コンサルタントを務めています。

監督には、一時デヴィッド・リーチが交渉していましたが、最終的に『GODZILLA ゴジラ』（2014年）でスピルバーグに評価されたギャレス・エドワーズが就任しました。エドワーズ自身もオリジナルのファンであり、この企画のために他の仕事を中断して参加を決めました。彼は翼竜の巣のシーンを洞窟から廃墟の古代寺院に変更するなど、独自のアイデアも取り入れています。

キャスティングは2024年3月に始まり、スカーレット・ヨハンソンら新たなキャストが集められました。ヨハンソンは長年シリーズへの参加を熱望していたといいます。

撮影

主要撮影は「Saga」というワーキングタイトルで、2024年6月13日にタイで開始されました。クラビー県、トラン県、パンガー県などで約1ヶ月間撮影が行われた後、7月にはマルタのマルタ映画スタジオへ移り、海上シーンなどが撮影されました。8月からはイギリスのスカイ・スタジオ・エルストリーに拠点を移し、9月27日にクランクアップしました。その後、ニューヨーク市で追加撮影が行われています。

撮影監督はジョン・マシソンが務め、エドワーズ監督のキャリアで初めて、35mmフィルムとパナビジョンのアナモルフィックレンズを使用して撮影されました。これは、オリジナルの『ジュラシック・パーク』の映像の質感に近づけることを意図しています。恐竜やその他の古生物の表現には、アニマトロニクスとコンピュータージェネレーテッドイメジェリー（CGI）が組み合わせて使用されています。

公開

アメリカ合衆国では2025年 7月2日に、日本では2025年 8月8日に公開される予定です。

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