スウィート・ダディ・シキ

スウィート・ダディ・シキの生涯と業績

プロレス界のスターであり、ショーマンとしても知られるスウィート・ダディ・シキは、1933年に生まれ、2024年末に91歳でこの世を去った。彼の本名はElkin Jamesであり、出身はテキサス州モンゴメリーというアフリカ系アメリカ人である。シキの魅力は、派手な衣装と、髪をブロンドに染め、試合前に手鏡と櫛で髪を整えるパフォーマンスにあった。このスタイルから、「Negro Gorgeous George」の愛称も得ており、黒人レスラーのショーマン派の先駆者とされている。

プロレスキャリアの始まり

シキは、元世界ヘビー級王者のサンダー・ザボーの指導の下、1955年にニューメキシコ州のアルティサでプロレスデビューを果たす。デビュー当初は80kgほどの軽量であったものの、3年の間に体重を100kgを超えまで成長させる。その後、1959年2月にはオハイオでバディ・ロジャースを打ち破り、NWAイースタン・ステーツ・ヘビー級王座を獲得。これがキャリアの一端であった。

シキはその後、1961年にトロントに進出し、フランク・タニーが運営するメープル・リーフ・レスリングを拠点に活動を開始。1962年4月にはブルドッグ・ブラワーと共にNWAインターナショナル・タッグ王座を夺取し、様々な名レスラーとの試合を繰り広げた。ヒューストンでは、1963年にリップ・ホークからNWAテキサス・ヘビー級王座を奪取するなど、彼の名声はますます高まった。

ニューヨークと日本への進出

1964年からはニューヨークのWWWFにも参戦し、ベビーフェイスとしてドクター・ジェリー・グラハムやハンス・シュミットと戦った。特にボボ・ブラジルと組んで、USタッグ王座への挑戦も行った。

1965年には日本プロレスに初来日し、西インド諸島代表としてワールドリーグ戦に出場。ジャイアント馬場との試合には敗北してしまったものの、芳の里、吉村道明、遠藤幸吉に勝利し、外国人選手の中では2位の成績を収めた。また、カルガリーでもドン・レオ・ジョナサンからNWAカナディアン・ヘビー級王座を獲得するなど、その才能を証明している。

続く活躍と引退後の生活

1971年にはハワイに進出し、ムーンドッグ・メインとのコンビでNWAハワイ・タッグ王座を獲得。その後、カントリー・シンガーとしても活動を開始したが、1980年まではトロントのメープル・リーフ・レスリングにも時折参加していた。1984年に復帰すると、プエルトリコで北米ヘビー級王座を獲得し、再び日本にも訪問した。

シキは、現役引退後もトロントに住み、アダム・コープランドなどの若手レスラーを指導し、音楽活動も続けていた。彼の人生は81年にもわたり、プロレスにおける影響と業績は多大であった。

2024年12月31日、長年認知症を患った後、トロントの病院で息を引き取った。シキは91歳での死去となる。

基本技術と獲得タイトル

彼の得意技には、ドロップキック、ヘッドバット、エアプレーン・スピン、ネックブリーカーがあり、その技術の高さが高く評価されていた。シキが獲得したタイトルは、NWAイースタン・ステーツ・ヘビー級王座や、NWAインターナショナル・タッグ王座、NWAカナディアン・ヘビー級王座など数多に及ぶ。

シキの影響はプロレス界にとどまらず、彼の名字はレスリングの歴史に深く刻まれている。

もう一度検索