セバストクラトル

セバストクラトル：ビザンチン帝国における高位の爵位

セバストクラトル（古代ギリシア語: Σεβαστοκράτωρ, Sebastokrátōr）は、ビザンチン帝国後期に存在した上級爵位です。その称号は「尊厳ある支配者」を意味し、皇帝に次ぐ地位を示すものとして、帝国において重要な役割を果たしました。

語源と意味

「セバストクラトル」という言葉は、「セバストス」（sebastós、ラテン語の「Augustus」に相当）と「クラトル」（krátōr、「支配者」の意、autokrator, 'emperor'にも見られる）という二つの要素から構成されています。この複合語が示すように、セバストクラトルは尊敬に値する支配者であり、帝国における権威の象徴でした。

歴史的背景

セバストクラトルの爵位は、ビザンチン帝国だけでなく、その影響下にあった周辺諸国、例えばブルガリア帝国やセルビア帝国などでも用いられました。これらの国々では、ビザンチン帝国の政治制度や文化が模倣され、セバストクラトルもその一つとして採用されたのです。

主な保有者

セバストクラトルの称号を保持した人物は数多く存在します。以下にその一部を挙げます。

アレクシオス3世アンゲロス
コノン・ド・ベテュヌ
コンスタンティノス・ドゥーカス (アンゲロス)
ステファノス・ガヴリイロプロス
ヨハネス1世ドゥーカス
ヨハネス2世ドゥーカス
ディミトリオス・カンダクジノス
イサキオス・コムネノス (アレクシオス1世の兄)
ステファン・ネマニッチ (セルビア王)

これらの人物は、それぞれの時代において帝国またはその周辺地域で重要な役割を果たし、セバストクラトルの称号にふさわしい活躍を見せました。

セバストクラトリッサ

セバストクラトルの妻は、ギリシャ語でsebastokratorissa（σεβαστοκρατόρισσα）、ブルガリア語でsevastokratitsa (севастократица) 、セルビア語でsebastokratoricaと呼ばれていました。

まとめ

セバストクラトルは、ビザンチン帝国後期における重要な爵位であり、その影響は周辺諸国にも及びました。この称号は、単なる地位を示すだけでなく、帝国の政治、文化、そして歴史を理解する上で欠かせない要素の一つと言えるでしょう。

参考文献

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