タラト・ザフェリ

タラト・ザフェリは、北マケドニアの政治家であり、元軍人です。1962年4月15日に北西部のポロク地方フォリノ村で生まれました。ユーゴスラビア人民軍陸軍歩兵学校で教育を受け、2013年には防衛学の修士号を取得しています。1985年から1991年までユーゴスラビア人民軍の士官、1992年から2001年までマケドニア共和国陸軍士官として勤務しました。

2001年のマケドニア紛争では、テトヴォ兵舎で佐官として部隊を指揮しましたが、後に陸軍を脱走し、民族解放軍のゲリラとなりました。紛争終結後、オフリド合意により恩赦を受けました。

政界では、2002年にマケドニア議会に初当選。2004年から2006年まで国防副大臣、2013年にはニコラ・グルエフスキ内閣の国防大臣を務めました。国防大臣としては、軍隊を「共存、寛容、違いの尊重の象徴」にすることを目指すと述べています。

2017年4月には、民主統合連合の支援を受けてマケドニア議会議長に選出されました。しかし、この選出に対し、議会議事堂で大規模なデモが発生し、議員が負傷する事態となりました（2017年の北マケドニア議会襲撃）。

2019年11月26日のアルバニア地震発生時には、アルバニアのイリル・メタ大統領に哀悼の意を表明し、震源地のドゥラスを訪問しています。

2024年1月28日、議会選挙に伴う選挙管理内閣の首相候補に指名され、議会で承認されました。しかし、5月8日の議会総選挙で保守系野党が勝利したため、ザフェリ陣営は下野することとなりました。そして、6月23日に議会がフリスティヤン・ミツコスキを首相とする新政権を承認し、ザフェリは首相の座を退きました。

ザフェリの経歴は、軍人から政治家へ、そして議会議長、短期間の首相という、激動の北マケドニアの政治情勢を反映したものであり、その政治的決断は常に議論の的となってきました。

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