ターザン・タイラー

ターザン・タイラー：密林から来た狂乱のヒール

ターザン・タイラー（本名：Camille Tourville）は、1927年12月4日にカナダのケベック州モントリオールで生まれました。フランス系カナダ人である彼は、その野性的なファイトスタイルから「密林王」の異名を持ち、プロレス界に強烈なインパクトを残しました。

プロレスラーとしての軌跡

タイラーは、元世界ヘビー級王者のユーボン・ロバートに見出され、1949年にプロレスデビューを果たします。しかし、間もなくプロボクサーに転向し、北米各地でそのハードパンチを武器に活躍しました。右拳の負傷により1955年にプロレス界に復帰。ターザン・ボロやターザン・トゥールヴィルなどのリングネームを経て、1961年にNWAセントラル・ステーツ地区でターザン・タイラーと改名。同年にはサニー・マイヤースを破り、セントラル・ステーツ・ヘビー級王座を獲得しました。

悪役としての頭角

タイラーは、悪役レスラーとして名を馳せました。1964年には、テキサス州ヒューストンでの試合中にレフェリーを暴行し、手錠をかけられて警察に連行されるという、プロレス史に残る事件を起こしました。この事件は、彼の狂乱ぶりを示すエピソードとして語り継がれています。

アメリカでの活躍

その後、フロリダを主戦場とし、フレッド・ブラッシーとの金髪コンビでNWA世界タッグ王座（フロリダ版）を獲得。WWWF（現WWE）にも参戦し、ブルーノ・サンマルチノのWWWF世界ヘビー級王座に挑戦するなど、その名を轟かせました。

日本での人気

タイラーは日本にも度々来日し、その野性味あふれるファイトスタイルで日本のファンを魅了しました。1967年には日本プロレスに初来日し、カウボーイ・ビル・ワットとのコンビでインターナショナル・タッグ王座をジャイアント馬場、吉村道明から奪取。その後、アントニオ猪木とのBI砲に敗れ王座を明け渡したものの、その存在感は強烈でした。その後も、ワールドリーグ戦に出場するなど、日本プロレス界に大きな足跡を残しました。

タイトル歴

タイラーは、数々のタイトルを獲得しています。

NWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座
NWA世界タッグ王座（テキサス版）
NWAフロリダ・ヘビー級王座
NWAインターナショナル・タッグ王座（日本）
WWWF世界タッグ王座
AWA中西部ヘビー級王座

晩年

1972年に首を負傷し、再起不能と宣告されますが、奇跡的に復活。国際プロレスにも参戦し、ストロング小林との金網デスマッチなど、激しい試合を展開しました。晩年はモントリオールに定住し、プロモーションのマネージャーを務めました。

1985年12月24日、交通事故により58歳で亡くなりました。

エピソード

リングネームの由来は、学生時代にセントローレンス川を泳ぎ切ったことから「ターザン」とあだ名されたことによります。また、生肉を常食していたことでも知られています。

得意技

ダイビング・ニー・ドロップ
ブレーンバスター
パンチ攻撃
チョーク攻撃

ターザン・タイラーは、その破天荒なキャラクターと激しいファイトスタイルで、プロレス史に名を刻んだ伝説的なレスラーです。

もう一度検索