ダイビングクイズ

『ダイビングクイズ』は、1964年4月8日から1974年3月31日まで、NETテレビ（現テレビ朝日）系列で放送された毎日放送制作のクイズ番組です。当初はモノクロ放送でしたが、1969年11月2日放送回からカラー放送に切り替わりました。

番組概要

この番組の最大の特徴は、解答席が滑り台になっている点です。解答者は滑り台につかまり、軍手を着用してクイズに答えます。誤答やお手つきをすると滑り台の角度が徐々に上がり、耐えきれずに落下すると失格となる、非常にスリリングな形式でした。落下地点は、初期にはトランポリン、後期には大量の風船が入ったボックスで、落下時のコミカルな様子も番組の魅力の一つでした。このため、知識だけでなく、体力も求められる異色のクイズ番組として人気を博しました。

放送時間

関東地区での放送時間は以下の通りです（いずれも日本時間）。

水曜 12:15 - 12:40 （1964年4月 - 1964年12月）
日曜 15:45 - 16:10 （1965年1月 - 1965年3月）
日曜 14:45 - 15:10 （1965年4月 - 1965年9月）
日曜 14:00 - 14:25 （1965年10月 - 1974年3月）

番組開始当初の水曜昼枠は、もともと『大正テレビ寄席』が放送されていた枠でした。「大正テレビ寄席打ち切り事件」によって空いた枠をMBSが獲得し、全国ネット枠として放送を開始しました。その後、NETが『アフタヌーンショー』を立ち上げる際、日曜午後に移動し、番組終了までその時間帯で放送されました。

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番組開始からしばらくは、前番組『グロリアホームクイズ 歌って当ててハイ何点』に引き続き、グロリア魔法瓶製作所が単独でスポンサーを務めていました。この時期には「グロリア・ホームゲーム」という冠タイトルがついていました。その後、ネッスルとピアスが共同でスポンサーとなり、末期には複数社提供へと移行しました。

番組ルール

番組のルールは時代によって変化しました。

初期（1967年4月まで）

個人戦方式で、1回勝負でした。
解答者は滑り台につかまり、全7問のクイズに答えます。誤答や答えられない場合は滑り台の傾斜が上がり、4問間違えるか、耐えきれずに落下すると失格となりました。

中期（1967年5月より）

勝ち抜き制が導入されましたが、ルールは個人戦のものを引き継ぎました。問題は交互に出題され、解答者は出題者の後方にある60個のランプから1つを選んで挑戦しました。対戦相手のどちらかが4問間違えるか、滑り台から落下すると、残った方が勝ちとなり、勝ち抜きメダルを受け取りました。5人勝ち抜くとチャンピオンとなり、賞品を獲得。中盤戦では、1回戦のみ芸能人が解答者として参加することもありました。

増補（1970年より）

芸能人の解答者参加は廃止され、代わりに第1戦前にゲスト歌手が持ち歌を披露するようになりました。滑り台が3段階傾いても落ちなかった解答者には「特別賞」が贈られました。また、年に数回行われる「団体戦（子供大会など）」では、勝者でも滑り台が傾いて落下するルールが適用されました。

末期（1973年4月以降）

勝ち残り者と挑戦者が対戦する勝ち抜き制となりました。芸能人の参加は（ゲスト大会を除き）廃止されました。答えが分かったら「はい！」と発声し、早く発声した方が解答権を得ました。正解すると相手の滑り台の傾斜が上がり、不正解だと自分の滑り台の傾斜が上がりました。どちらかが傾斜に耐えきれず落下するか、相手の滑り台の傾斜が6段階になるとゲーム終了。最終的に7人勝ち抜くとチャンピオンとなり、海外旅行を獲得しました。また、勝ち抜き優勝者も自ら風船の海にダイビングする形式が採用されました。

ネット局

毎日放送（制作局）のほか、以下の局で放送されていました。

NETテレビ（現:テレビ朝日）
札幌テレビ→北海道テレビ
青森放送
宮城テレビ
新潟総合テレビ（現:NST新潟総合テレビ）
信越放送
北日本放送
東海テレビ→名古屋放送（現:名古屋テレビ）
岡山放送
中国放送
西日本放送→瀬戸内海放送
九州朝日放送

賞金

賞金は、時代によって変化しました。

5人抜き時代
1問正解につき、1,000円
勝ち抜き賞 1人につき、10,000円
優勝賞金（グロリア賞⇒チャンピオン賞） 100,000円
7人抜き時代
勝ち抜きごとに賞金が加算され、最大300,000円に。
正解時の賞金は廃止されました。

主な出演者

司会者
初代：千葉信男（1964年4月 - 1964年9月）
2代目：若井はんじ・けんじ（1964年10月 - 1973年3月）
3代目：ジェリー藤尾（1973年4月 - 1974年3月）
出題者
初代：三井洋子
2代目：水谷勝海（当時毎日放送アナウンサー）
アシスタント
桜井一枝（1969年頃）

同番組の形式を行っていた番組

『ダイビングクイズ』のユニークな形式は、様々な番組に影響を与えました。

クイズ番組

フジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげです』
NTV『NTV紅白歌のベストテン』
NTV『アメリカ横断ウルトラクイズ』
フジテレビ『オールスター10人10種競技』
フジテレビ『クイズ・ドレミファドン!』
NTV『平成あっぱれ開運祭!!チョー縁起いいTV!』
TBS『怪傑黄金時間隊!!』『いきなり!クライマックス』
TBS『バリキン7 賢者の戦略』
テレビ朝日『タイムショック21』

ゲーム番組

NTV『新・底ぬけ脱線ゲーム』
フジテレビ『オールスター紅白大運動会』
NTV『ヒット'76〜'79→恋はショッキング』
フジテレビ『オレたちひょうきん族』
テレビ朝日『所さんの家族まるだし』
テレビ朝日『探シタラTV』

アニメ

テレビアニメ『ハヤテのごとく!』
テレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』

テレビCM

『Shadowverse』（Cygames）

備考

勝ち抜き制になってから、当初は5人勝ち抜くのに2～3週間かかりましたが、末期にはルールがスピーディになったため、2週間で7人勝ち抜きが出るようになりました。
番組のオープニングでは、司会者やアシスタントが滑り台からダイビングする演出が特徴的でした。
クイズ王として知られた囲碁棋士の小山鎮男や、『アメリカ横断ウルトラクイズ』初代優勝者の松尾清三も番組に出場したことがあります。
司会がジェリー藤尾になった際には、一時的に風船がなくなっていましたが、その後復活しました。
収録は初期にはMBS千里丘放送センターで行われていましたが、後に「ミリカホール」での公開収録に変更されました。
「ミリカホール」での収録時代には、不定期で「一発クイズ」という特別コーナーが設けられていました。

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