トリニダード・トバゴの軍事

トリニダード・トバゴ国防軍（TTDF）

トリニダード・トバゴ国防軍は、トリニダード・トバゴの平和と安全を守るための軍事組織です。総勢約5,000名の兵力を擁し、陸軍、沿岸警備隊、航空警備隊、そして国防軍予備役によって構成されています。

特徴

1962年の独立以来、トリニダード・トバゴ国防軍はカリブ海地域において重要な役割を果たしてきました。特筆すべきは、世界で唯一のスティールパン軍楽隊を擁している点です。スティールパンはトリニダード・トバゴ発祥の楽器であり、その独特な音色は、国防軍の音楽隊を通じて世界に発信されています。

組織

国防軍は、トリニダード・トバゴ大統領の指揮下にあり、国家安全保障大臣を通じて文民統制を受けています。主要な構成部隊は以下の通りです。

トリニダード・トバゴ連隊 (陸軍)：約2,000名から構成される国防軍の主力。国土防衛と治安維持を担い、必要に応じて地方執行機関を支援します。過去には、ブラック・パワー運動による騒乱鎮圧にも出動しました。
沿岸警備隊：約700名から構成され、領海警備、捜索救難、麻薬取締りなど、海洋における安全保障を担っています。ストーブルズ・ベイをはじめとする複数の基地を拠点として活動しています。
航空警備隊：1966年に沿岸警備隊航空隊として発足し、後に独立。領空警備を主な任務としていますが、実際には輸送や救難活動が中心となっています。ピアルコ国際空港とクラウン・ポイント国際空港を主要基地としています。
国防軍予備役：かつての義勇国防軍を母体とする予備役部隊。正規軍と地方自治体を支援し、緊急時には即応体制を維持します。近年では、国際会議の警備など、法執行機関の支援にも動員されています。

装備

国防軍は、多様な装備を保有しています。

車両：ランドローバー・ディフェンダーやM35 2.5tトラックなど、様々な車両を運用しています。
火器：FN ブローニング・ハイパワー、ヘッケラー&コッホ社製9mm拳銃、S&W M&P9、UZI、FN P90、MP5、スターリング、M16、IMI ガリル、L1A1、IMI ネゲヴ、FN MAG、ブレン軽機関銃、M60機関銃、ブローニングM2重機関銃、ブラント60mmLRガンモータ、L16 81mm 迫撃砲 、B-300 82mmロケット発射筒、カールグスタフなどを装備しています。
艦艇：警備艇など25隻を保有。
PCO: ネルソン（Nelson） × 1隻
PFC: バラクーダ級（Barracuda） × 2隻
PCI: プリマス（Plymouth）級100トン × 4隻、ポイント（Point）級100トン × 4隻、ワスプ（Wasp）級100トン × 2隻
その他 - 12隻
航空機：C-26 メトロライナー、セスナ、パイパー、アグスタウエストランド AW139、シコルスキー S-76、MBB Bo 105、SA 341、ユーロコプター エキュレイユAS355、飛行船など、様々な航空機を運用しています。

まとめ

トリニダード・トバゴ国防軍は、カリブ海の平和と安定に貢献するため、多様な活動を展開しています。スティールパン軍楽隊に代表されるように、独自の文化も育んでおり、その存在はトリニダード・トバゴの国家アイデンティティを象徴するものと言えるでしょう。

もう一度検索