ドイツ自由民主党

ドイツ自由民主党（LDPD）とは

ドイツ自由民主党（Liberal-Demokratische Partei Deutschlands、LDPD）は、第二次世界大戦後の東ドイツに存在した政党です。かつては名目上の野党、いわゆる「衛星政党」として知られていました。しかし、東西ドイツ再統一後、西ドイツの中道・自由主義政党であった自由民主党（FDP）に吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

結成の背景

LDPDは、1945年7月5日に結成されました。その目的は、ヴァイマル共和政時代に存在した中道・リベラル系の自由主義政党、ドイツ民主党の再興でした。しかし、結党当初から旧ドイツ人民党や旧ドイツ国家人民党といった保守的な勢力も合流していました。これは、同じく旧中央党の勢力を結集したドイツキリスト教民主同盟（CDU）と同様の動きであり、私有財産の擁護と国有化への反対、そして反ファシズムと反共主義を掲げていました。

衛星政党への転落

しかし、ソ連占領地域において、ソ連の支援を受けたドイツ社会主義統一党（SED）が力を増すと、LDPDの反共主義的な指導部や党員は西側へと追放されていきました。そして、親ソ・容共的なヴィルヘルム・キュルツが党首に就任すると、LDPDはSED主導のヘゲモニー政党制に組み込まれ、衛星政党としての道を歩むことになります。西側の自由民主党との合同も試みられましたが、実現には至りませんでした。さらに、SEDはLDPDに対抗するため、元ナチ党員を基盤としたドイツ国家民主党（NDPD）を結成させました。党名も当初は自由民主党（LDP）でしたが、1951年にSEDの政策に基づいて「Deutschlands (D)」を追加し、LDPDとなりました。

東ドイツ時代から再統一へ

東ドイツ時代、LDPDは人民議会において500議席中52議席を割り当てられ、一定の勢力を保っていました。しかし、SEDや当局の政策に反対することはほとんどありませんでした。1967年にマンフレート・ゲルラッハが党首に就任して以降、1980年代には徐々に当局との距離を置き始め、東欧革命とベルリンの壁崩壊に際しては、比較的早い段階からエーリッヒ・ホーネッカーの独裁体制に異を唱えました。ゲルラッハ自身は、東ドイツの国家元首である国家評議会議長に就任しています。

1990年3月18日に行われた東ドイツ最初で最後の自由選挙となる人民議会選挙では、党名をLDPに戻し、東ドイツ自由民主党、ドイツ・フォーラム党、そして自由民主同盟（BFD）と連携して5.3％の得票を獲得し、21議席を獲得しました。その後、BFDを組んだ他党やドイツ国家民主党とともに、1990年8月11日に西ドイツ側の自由民主党に吸収合併され、ドイツ再統一を前にその役割を終えました。

歴代党首

1945: ヴァルデマール・コッホ(Waldemar Koch)
1945-1948: ヴィルヘルム・クルツ(Wilhelm Külz)
1948: アルトゥール・ロイテナント(Arthur Lieutenant)
1948-1949: カール・ハマン(Karl Hamann)
1949-1950: ヘルマン・カストナー(Hermann Kastner)
1951-1960: ハンス・ロッホ(Hans Loch)
1960-1967: マックス・ズールビアー(Max Suhrbier)
1967-1990: [マンフレート・ゲルラッハ]
1990: ライナー・オルトレーブ(Rainer Ortleb)

外部リンク

Chronik der Wende Chronik-Glossar:Liberal Demokratische Partei Deutschlands (LDPD) (ドイツ語)

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