ナショナル・エアラインズ (N8)

ナショナル・エアラインズの概要

ナショナル・エアラインズ（National Airlines）は、ナショナル・エア・カーゴ（National Air Cargo）としても知られ、フロリダ州オーランドに拠点を置くアメリカの航空会社です。元々はマーリィー・エア（Murray Air）という名称で設立されました。主に貨物チャーター便と旅客チャーター便を運航しており、2012年12月にはオーランド・サンフォード国際空港をハブとする定期便の運航も開始しました。

歴史

1985年にマーリィー・エアとして設立された同社は、1986年6月に運航を開始しました。当初は三菱 MU-2を貨物機として使用していましたが、2005年4月にマーリィー・アビエーションとの合併を経て、2008年12月にナショナル・エアラインズへと名称を変更し、ナショナル・エア・カーゴ・グループ傘下で運航を開始しました。

ナショナル・エアラインズはかつて、オーランド・サンフォード国際空港をハブとして、コーコモー市民空港、シカゴ・ロックフォード国際空港、ケイプ・メイ・コ空港、トロント・ピアソン国際空港などへ定期便を運航していました。これらの定期便では、サーブ 340やBAe ジェットストリーム 31が使用されていました。

貨物便では、DC-8-63CFやDC-8-71Fを運用しており、2009年にはミシガン州イプシランティからバグラム空軍基地への貨物便を開始、その後カンダハール国際空港へも就航しました。2010年にはボーイング747-400BCFを3機購入し、2011年にはボーイング757-200をリースしてドバイ発着の旅客便に投入しました。2015年にはオーランド・サンフォード国際空港からのボーイング757型機による定期便を再開し、セントジョンズ国際空港、ウィンザー国際空港、バンクーバー国際空港などへ就航しました。2021年には747 スーパータンカー（747-400BCF改造機）を購入し、貨物機として運用しています。

会社の業務

ナショナル・エア・カーゴの本社はニューヨーク州オーチャードパークに、ナショナル・エアラインズの本社はフロリダ州オーランドにあります。ナショナル・エアラインズのハブ空港はミシガン州イプシランティ近郊のウィロー・ラン空港です。2013年には、拠点をミシガン州からフロリダ州オーランドに移転しました。これは、経営陣の出身地と、メトロオーランド経済開発委員会の後押しによるものです。

ナショナル・エアラインズは、軍事空輸業務に関する契約も締結しています。2013年にはニュージーランド国防軍が、102便墜落事故の後、空輸業務契約を無期限に延長しました。

保有機材

2023年1月時点で、ナショナル・エアラインズが保有している機材は以下の通りです。

ボーイング747-400F
ボーイング757-200
* ボーイング747-400BCF（747スーパータンカーを含む）

事故・事件

2013年4月29日、ナショナル・エアラインズ102便（ボーイング747-428BCF）がバグラム空軍基地を離陸直後に墜落し、乗員7名全員が死亡しました。事故原因は、荷崩れによる油圧系統の破壊と、それに伴う失速でした。

2016年10月29日には、セントジョンズ空港局がナショナル・エアラインズのボーイング757型機を摘発し、未払いサービスの存在を主張しました。これにより、同社は2017年1月6日にニューファンドランド・ラブラドール州への運航を停止し、多くの便がキャンセルされました。

まとめ

ナショナル・エアラインズは、設立から様々な変遷を経て、現在では貨物・旅客チャーター便を中心に運航する航空会社です。過去には定期便を運航していた時期もありましたが、事業戦略や事故などを経て、現在の形に至っています。今後の動向が注目される航空会社の一つです。

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