ナムコヒストリー

『ナムコヒストリー』は、1997年から1998年にかけてナムコ（現・バンダイナムコエンターテインメント）よりリリースされた、Windowsパソコン向けのクラシックゲーム集シリーズです。

このシリーズは、かつてゲームセンターを賑わせた同社のアーケードゲームを移植し、自宅のPCで手軽に楽しめるようにすることを目的に企画されました。単にゲームが収録されているだけでなく、購入者への特典として、PCのデスクトップを彩るスクリーンセーバーや壁紙といったデジタルコンテンツが収められていたほか、製品パッケージにはマウスパッドなどの物理的な付録が同梱されており、ファンアイテムとしての側面も持ち合わせていました。

シリーズは全4巻が発売されています。

VOL.1（1997年4月25日発売）
記念すべき第1弾には、シューティングゲームの金字塔として知られるゼビウスとその続編スーパーゼビウスが収録されました。さらに、コミカルなアクションゲームマッピー、戦略性が光るアクションゲームモトス、そして独創的な世界観を持つパズルゲームトイポップといった、初期から中期のナムコを代表するバラエティ豊かなラインナップとなっています。

VOL.2（1997年11月28日発売）
ファンタジーRPGの要素を取り入れたアクションゲームドルアーガの塔が目玉として収録されました。加えて、戦車を操作するタンクバタリアン、シューティングゲームグロブダー、レースゲームラリーXおよびその改良版ニューラリーX、生物学的なテーマのパズルゲームフォゾンといった、多様なジャンルの隠れた名作や人気作が集められています。特にドルアーガの塔にちなんだデザインのマウスパッドは複数種類が存在しており、外箱からはどのデザインが入っているか判別できない仕様で、コレクター心をくすぐる要素となっていました。

VOL.3（1998年6月19日発売）
ナムコのシンボルキャラクターであるパックマンとその関連作品に焦点が当てられています。オリジナルであるパックマンに加え、続編のスーパーパックマン、ユニークなシステムを持つパック&パル、そして海外で人気を博したミズ・パックマンが収録リストに名を連ねています。さらに、穴掘りアクションパズルの定番ディグダグと続編のディグダグIIも含まれています。この巻には、当時の同社ファンクラブ会報誌「NG」に掲載されていた冨士宏氏による漫画『午後の国』を閲覧できるギャラリーモードという、ゲーム以外のユニークな追加要素も搭載されていました。

VOL.4（1998年12月4日発売）
宇宙を舞台にしたシューティングゲームの名作たちが中心です。シューティングゲームの祖としても語られるギャラクシアン、その正統進化形であるギャラガ、そして特徴的なシステムを持つギャプラスといった「ギャラ」シリーズがまとめて楽しめます。その他、複数の砲台を持つ自機で戦うボスコニアン、風船を操るキング&バルーン、空間移動を駆使するワープ&ワープなど、個性的なタイトルがラインナップの最後を飾りました。

『ナムコヒストリー』シリーズは、ナムコがアーケードで培った豊かなゲーム開発の歴史を、当時のファンや新しい世代のゲーマーに伝えるための重要な作品群であり、単なる移植集に留まらない、資料的価値やコレクション性を兼ね備えたシリーズとして位置づけられます。

もう一度検索