バーデン福音主義州教会

バーデン福音主義州教会

バーデン福音主義州教会（ドイツ語: Evangelische Landeskirche in Baden）は、ドイツ福音主義教会 (EKD) に加盟する20の福音主義州教会の一つであり、ライン地域教会会議にも加盟している公法人上の社団です。本部はカールスルーエに置かれ、バーデン地方のアレマン系住民や、フランケン地方南部のヴュルテンベルク地域に住むフランケン人に信仰者が多いことで知られています。

概要

この州教会は495の教会共同体と約119万人の教会員を擁し、ドイツ福音主義教会(EKD)に属する福音主義合同教会に加盟しています。カールスルーエ・シュタット教会が首座教会であり、ハイデルベルク聖霊教会やプフォルツハイム聖ミヒャエル教会も重要な教会です。また、神学研修施設としてバート・ヘレンアルプ福音主義アカデミーを、援助によってフライブルク福音主義単科大学(EFH Freiburg)を設立しました。

バーデン福音主義州教会は、フライブルク・イム・ブライスガウに本部を置く自由教会であるバーデン福音ルター派教会とは別の組織です。

管轄地域

管轄地域は、かつてのバーデン大公国の西部地域、すなわち1945年から1952年までバーデン州であった地域を含んでいます。この地域は、ヴュルテンベルク＝バーデン州とプロイセン王国の飛び地であったヴュルテンベルク＝ホーエンツォレルン州が合併してできたバーデン＝ヴュルテンベルク州のライン川に隣接する西側に位置します。設立後、隣接するヴュルテンベルク福音主義州教会と境界変更を行っています。1973年1月1日の教会管区再編以降、カールスルーエ教会管区とフライブルク教会管区が合同することはありませんでした。

歴史

1556年、バーデン＝ドゥルラハ辺境伯は領土にマルティン・ルターの宗教改革を導入しました。バーデン＝ドゥルラハ辺境伯領は後にバーデン大公国となり、大公が領邦教会の首長として世俗と教会の権力を統合しました。これにより、以前は力を持っていたローマ・カトリック教会の司教は権限を失いました。

隣接するバーデン＝バーデン辺境伯領でも宗教改革が導入されましたが、アルブレヒト5世の力が増すと、1571年以降は福音主義の礼拝が禁止されました。1610年に福音主義の説教が一部許可されましたが、バーデン＝バーデン辺境伯ヴィルヘルムは対抗宗教改革の担い手であるイエズス会を保護し続けました。その結果、福音主義信徒は居住を禁止され、1650年にはバーデン＝バーデン辺境伯領から姿を消しました。福音主義信徒がバーデン＝バーデンに再び住めるようになったのは1832年のことでした。

1771年にバーデン＝ドゥルラハ辺境伯カール・フリードリヒが両辺境伯領を統合し、バーデン大公国に発展しました。バーデン福音州教会の管轄地域は、このバーデン大公国の領域が基盤となっています。

カール・フリードリヒは1803年に選帝侯となり、1806年の神聖ローマ帝国解体後には大公となりました。このバーデン大公国は1918年まで存続し、ヴュルテンベルク王国に近接する地域も領土に加わったため、ルター派共同体も増加しました。さらに、改革派教会の強いプファルツ選帝侯領の地域や、ローマ・カトリック教会の強い南バーデンも加わりました。1806年以降、カール・フリードリヒはルター派教会と改革派教会の首長となりました。

1817年以降、教会共同体レベルから両教会の統合が提起され、1821年にルター派と改革派の領邦教会が合同し、バーデン大公国合同福音主義プロテスタント教会が設立されました。プロイセン福音主義教会も1817年に設立されましたが、プロイセンでは教会行政組織において合同されたのみで、信仰告白を統一した教会共同体は少数にとどまりました。一方、バーデンでは教会行政だけでなく信仰面でも合同が図られ、統一された信仰告白が導入されました。

バーデン合同領邦教会は管区長を霊的指導者、福音主義高等参事会主事を世俗面の指導者とし、1861年9月5日に教憲が制定されました。その後、福音主義高等参事会主事は福音主義高等参事会議長と改称されました。

第一次世界大戦終結時にバーデン大公が退位し、教会首長としての領邦教会統治も終わりました。1919年12月24日、州教会は新教憲を議決し、管区長と福音主義高等参事会議長が教会を指導することになりました。教会名称はバーデン合同福音主義プロテスタント州教会に変更されました。1933年6月1日の新教憲制定により、議長と管区長の職は廃止され、州教会監督職に引き継がれました。

1945年に管区長職が再び導入されましたが、以前の管区長職とは異なり、助言的な役割のみを持つことになりました。

信仰告白

バーデン州教会は、基本規則前文において自らを福音主義教会と位置づけています。聖書を信仰と教えと生活に関する最高の基準とし、救いは恵みとイエス・キリストへの信仰によってのみ受け取られると告白します。使徒信条、ニカイア信条、アタナシオス信条を信仰の証とし、アウクスブルク信仰告白を重要な文書と認めています。合同教会として改革派のハイデルベルク信仰問答とルターの小教理問答も信仰告白として認めていますが、教会合同に関する合意文書でバーデン教会が認めた洗礼と聖餐理解とは異なるそれ以前の教派的伝統的聖餐理解を基本規則から除いています。また、全体主義権力による干渉と誤った教えに対してバルメン宣言を肯定しています。

州教会指導部

バーデン福音州教会のトップには州教会監督が置かれます。州教会監督は州教会総会で選出され、原則として終身在任しますが、通常65歳で引退します。

州教会総会

州教会は議会として州教会総会を開催します。議員はSynodaleと呼ばれ、29の選挙区から選出されます。総会は年に2度バート・ヘレンアルプにある福音主義アカデミーを会場にして開催され、財政、人事などを審議します。現在の議長は弁護士のマルギット・フレッケンシュテインです。

賛美歌集

バーデン福音主義州教会では、以下の賛美歌集が用いられてきました。

Christliches Gesangbuch zur Beförderung der öffentlichen und häuslichen Andacht für die evangelisch-protestantische Kirche im Großherzogthum Baden, Karlsruhe, 1837
Gesangbuch für die evangelisch-protestantische Kirche des Großherzogtums Baden, Lahr, 1883
Evangelisches Kirchengesangbuch, Ausgabe für die Vereinigte Evangelisch-protestantische Landeskirche Badens, 1951
Evangelisches Gesangbuch, Ausgabe für die Evangelische Landeskirche in Baden, Karlsruhe, 1995

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