パブリク (高速輸送艦)

USS パブリク (APD-70) : 第二次世界大戦で活躍したアメリカ海軍の高速輸送艦

USS パブリク (APD-70) は、チャールズ・ローレンス級高速輸送艦の一隻で、第二次世界大戦中にアメリカ海軍で運用されました。本艦は、ミルトン・F・パブリク少佐に敬意を表して命名されました。

艦歴

パブリクは当初、バックレイ級護衛駆逐艦として、1943年9月21日にペンシルベニア州ピッツバーグのドラボ社で起工されました。1943年12月18日には、パブリク少佐の妻によって命名・進水し、テキサス州オレンジのコンソリデーテッド・スチール社で艤装が行われました。

1944年6月27日、パブリクはチャールズ・ローレンス級高速輸送艦として APD-70 に艦種変更されました。その後、1944年12月29日に艦長C・V・アレン予備少佐の指揮下で就役しました。

第二次世界大戦

バミューダ沖での整調訓練とバージニア州ポーツマスでの揚陸戦訓練の後、パブリクは1945年2月22日にノーフォークを出航し、太平洋へと向かいました。パナマ運河とカリフォルニア州サンディエゴを経由し、3月21日に真珠湾に到着しました。ハワイでの訓練演習の後、4月13日に真珠湾を出航し、マーシャル諸島のマジュロ環礁に向かいました。その後、カロリン諸島のウルシー環礁に停泊し、沖縄戦に参加するため琉球諸島に向かいました。

1945年5月3日から9日まで、パブリクは沖縄沖のピケラインに配置され、日本軍機による攻撃を撃退し、救助活動を行いました。5月4日には、漂流していたLSM(R)-195 の乗員を発見しましたが、救助班がサメと格闘の末に収容したものの、既に死亡していました。同日の午後には、艦長とドクター・プッツェルが合同で葬儀を執り行い、航海日誌には「1945年5月3日の戦闘で死亡したジョージ・J・ルールマンの葬儀を、東経21度0分127秒、北緯37度5分26秒の海域で執り行った」と記録されています。

5月10日には、病院船レリーフ (USS Relief, AH-1) を護衛してグアムに向かい、12日に Hagushi Anchorage に戻り、哨戒任務を再開しました。1945年5月18日、パブリクは「特別救助艦」に指定され、日本軍機による激しい攻撃の中、救助活動を継続しました。

5月27日には、特攻機による直接攻撃を初めて回避しました。翌28日には、低空で攻撃を行う一式陸上攻撃機に対して砲撃を行いました。その後、姉妹艦のヨークス (USS Yokes, APD-69) と共に、特攻機の攻撃で撃沈された駆逐艦ドレクスラー (USS Drexler, DD-741) の生存者を Hagushi で乗艦させました。29日には、特攻機によって損傷した駆逐艦シュブリック (USS Shubrick, DD-639) の生存者を乗艦させました。

パブリクは終戦まで琉球諸島を始めとする太平洋戦線で任務を継続し、1945年8月14日には東京沖で第3艦隊と合流しました。

戦後

1945年8月18日、パブリクはイギリス海軍太平洋艦隊と共に巡航し、イギリスの軽巡洋艦ニューファンドランド (HMS Newfoundland, 59) およびニュージーランドの軽巡洋艦ガンビア (HMNZS Gambia, 48) から上陸部隊を乗艦させました。8月27日に本州に到着し、相模湾に入港。8月30日にはシムス (USS Sims, APD-50)とバー (USS Barr, APD-39) と共に東京湾に入港し、入り口の第2要塞および第3要塞に武装解除のため陸上部隊を上陸させました。部隊が帰還すると、パブリクは横須賀港に向かいました。

1945年8月31日、パブリクは第4海兵連隊L大隊を乗せ館山湾に向かい、同湾の海軍航空基地を確保し、9月3日まで海兵隊支援のため留まりました。9月3日に再び海兵隊を乗せ横須賀港に戻りました。9月9日にはバラック船に指定されました。

1946年4月15日、パブリクは日本を離れ、サンディエゴでの停泊、フィラデルフィア海軍造船所とチャールストン海軍造船所でのオーバーホールの後、不活性化のためフロリダ州グリーンケーヴスプリングスに牽引されました。パブリクは1946年11月15日にグリーンケーヴスプリングスで退役し、セントジョンズ川の大西洋予備役艦隊フロリダ・グループで保管されました。不活性状態のまま20年以上保管され、1967年4月1日に除籍。1968年7月1日にノースアメリカン・スメルティング・カンパニーにスクラップとして売却されました。

パブリクは第二次世界大戦の沖縄戦における功績で1個の従軍星章を受章しました。

もう一度検索