ビリー・レッド・ライオン

ビリー・レッド・ライオン：カナダが生んだレスリング界のレジェンド

ビリー・レッド・ライオン（本名：ウィリアム・スニップ、1932年5月17日 - 2009年6月22日）は、カナダ・オンタリオ州ハミルトン出身のプロレスラーである。そのキャリアは輝かしい数々のタイトル獲得と、義兄弟であるザ・デストロイヤーとの伝説的なタッグチームで彩られた。

ハミルトンから世界へ：レスリングキャリアの始まり

ハミルトンのYMCAでレスリングの基礎を築き、ジミー・シムズのもとで鍛錬を積んだ彼は、1954年にプロレスラーとしてデビュー。ベビーフェイスとしてアメリカにも進出し、各地を転戦しながら経験を積んでいった。1958年にはレイ・ガンケルとタッグを組み、ジョージア版NWAインターナショナル・タッグ王座を獲得。この勝利は、彼の才能を世界に知らしめるきっかけとなった。

ザ・デストロイヤーとの絆：最強タッグチームの誕生

彼のキャリアにおいて、ザ・デストロイヤーとの関係は特筆に値する。双方の配偶者が姉妹同士という、まさに義兄弟と言える間柄だった。1965年には、サンフランシスコでデストロイヤーとタッグを組み、アメリカン・レスリング・アライアンス認定の世界タッグ王座を獲得。その勢いをそのままに、同年5月には日本プロレスに初来日。豊登&ジャイアント馬場組からアジアタッグ王座を奪取するという快挙を成し遂げた。日本での活躍は、彼の国際的な地位を確固たるものにした。

北米各地を転戦：数々のタイトル獲得

その後も、彼はデトロイト、テキサス、そしてAWA（アメリカン・レスリング・アソシエーション）など、北米各地を転戦。1967年にはNWAテキサス・ヘビー級王座を獲得。1968年にはフリッツ・フォン・エリックとタッグを組み、NWAアメリカン・タッグ王座も獲得した。AWAでは、ラリー・ヘニング、ハーリー・レイス、ラーズ・アンダーソン、ブラックジャック・ランザといったそうそうたるメンバーと対戦。そして、彼の義兄弟であるデストロイヤーともAWAのリングで激突した。さらに、レッド・バスチェンと組んだ「フライング・レッドヘッズ」としても活躍し、AWA世界タッグ王座に挑戦するなど、精力的に活動した。イギリス連邦であるカナダ出身のレスラーとして、1968年にはAWA大英帝国ヘビー級王座の初代王者にも輝いた。

日本プロレスへの再来日と晩年

1973年には再び日本プロレスのリングに上がり、大木金太郎のインターナショナル・ヘビー級王座初防衛戦の相手に。1977年にはデューイ・ロバートソンとの覆面タッグチーム「ザ・クルセーダーズ」として全日本プロレスに参戦。1980年代に入るとセミリタイアし、古巣であるメープル・リーフ・レスリングのオフィスでプロモーターのフランク・タニーを補佐する立場になった。タニーの死後、WWFがメープル・リーフ・レスリングを買収すると、現役を引退し、「WWFメープル・リーフ・レスリング」のアナウンサーやインタビュアーとして活躍。彼のトレードマークである「Don'tcha dare miss it!」は、多くのファンに親しまれた。

レジェンドの死

2009年6月22日、脊髄癌のため77歳で死去。彼の死は、レスリング界に大きな悲しみをもたらした。ビリー・レッド・ライオンは、カナダが生んだ偉大なレスラーとして、そして多くのファンに愛されたレジェンドとして、永遠に記憶されるだろう。

得意技

ドロップキック
足4の字固め

獲得タイトル（一部抜粋）

彼の輝かしいキャリアの中で、彼は数多くのタイトルを獲得した。主なタイトルは以下の通りである。（すべてのタイトルを網羅しているわけではない）

NWAカナディアン・オープン・タッグ王座
NWAインターナショナル・タッグ王座（トロント版、ジョージア版）
NWA世界タッグ王座（デトロイト版）
NWAテキサス・ヘビー級王座
NWAアメリカン・ヘビー級王座
NWAアメリカン・タッグ王座
NWA USタッグ王座（トライステート版）
AWA大英帝国ヘビー級王座
AWA世界タッグ王座（サンフランシスコ版）
アジアタッグ王座

もう一度検索