ブラックジャック・ランザ

ブラックジャック・ランザ： カウボーイ・ギミックのレスリング人生とWWEへの貢献

ブラックジャック・ランザ（本名：ジョン・ランザ、1935年10月14日 - 2021年12月8日）は、アメリカ合衆国のプロレス界に多大な貢献をしたレスラーにしてブッカーです。ニューメキシコ州アルバカーキ生まれという説もありますが、ミネソタ州ミネアポリスやテキサス州ラレドという説もあり、確かな生年月日や出生地は不明です。

カウボーイの家系に育ち、学生時代はレスリングとロデオの両方に秀で、南部3州のロデオ大会で優勝するほどの腕前でした。その後、ドリー・ファンク・シニアに見出され、バーン・ガニアに師事。1961年、プロレスラーとしてデビューします。

当初はミネソタ州ミネアポリスを拠点とするAWAで、「カウボーイ・ジャック・ランザ」のリングネームでベビーフェイスとして活躍しました。しかし1967年8月、ヒールに転向。マネージャーにボビー・ヒーナンをつけ、「ブラックジャック・ランザ」と改名し、本格的にヒールとしてのキャリアをスタートさせます。同年12月にはウイルバー・スナイダーを破り、WWA世界ヘビー級王座を獲得。NWAセントルイスではアーニー・ラッドと激しい抗争を繰り広げました。1969年には、キール・オーディトリアムにおいて、ジン・キニスキー、ドリー・ファンク・ジュニアとNWA世界ヘビー級王座を争うなど、トップ選手として活躍しました。

1971年、ブラックジャック・マリガンとタッグチーム「ザ・ブラックジャックス」を結成。黒を基調としたカウボーイ衣装で人気を博しました。同年、スナイダー&ポール・クリスティからWWA世界タッグ王座を奪取し、AWAとWWAを股にかけて、ディック・ザ・ブルーザー&クラッシャー・リソワスキー組との抗争を繰り広げます。シングルでも活躍し、WWWFではペドロ・モラレスのWWWFヘビー級王座に挑戦。アンドレ・ザ・ジャイアントとも対戦するなど、その存在感を示しました。

1974年にはNWAビッグタイム・レスリング（後のWCCW）に進出し、ブラックジャックスとしてタッグ戦線を席巻。シングルではテキサス・ブラスナックル王座を獲得し、フリッツ・フォン・エリックとアメリカン・ヘビー級王座を争いました。さらに、ジャック・ブリスコのNWA世界ヘビー級王座にも挑戦しています。

1975年、WWWFにマリガンと共に再参戦し、WWWF世界タッグ王座を獲得。ブルーノ・サンマルチノのWWWFヘビー級王座にも挑戦しました。1976年にはブラックジャックスを解散し、AWAに復帰。ボビー・ダンカンと組んでAWA世界タッグ王座を獲得し、長期政権を築きました。

1979年には、ヒーナンと共にAWAを追放されるというアングルでNWAジョージア地区へ転戦。TV王座を獲得し、ジョージア・ヒーナン・ファミリーの一員として活躍しました。その後、AWAに復帰し、ベビーフェイスに転向。1984年には、ジャンボ鶴田のAWA世界ヘビー級王座初防衛戦の相手を務めるなど、日本でもその名が知られるようになりました。

AWAではブッカーとして手腕を発揮し、「AWAの頭脳」と称されるほどでした。その才能をビンス・マクマホンに見込まれ、1985年にWWF（後のWWE）に移籍。パット・パターソンらと共にWWEの隆盛を裏方から支え続けました。2006年、マリガンと共にWWE殿堂入りを果たしました。

日本プロレスとの関わりも深く、1966年には初来日。1971年には国際プロレスのビッグ・サマー・シリーズに参戦し、1978年には全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ戦に出場しています。1990年代にはWWEのスタッフとして来日し、『レッスル・フェスト in 東京ドーム』や『マニア・ツアー』などを担当しました。

2021年12月8日、86歳で死去。WWEは公式サイトで弔意を表明しました。ブラックジャック・ランザは、リングの上でも下でも、プロレス界に大きな足跡を残した偉大な人物でした。彼の功績は、これからも語り継がれていくでしょう。

得意技

テキサス・ブレーンバスター：投げ技ではなく、右拳のこめかみへの攻撃でギブアップを奪う技。
ブレーン・クロー
ブルドッギング・ヘッドロック
ダイビング・ニー・ドロップ
コブラ・クラッチ

獲得タイトル

WWWF/WWE
WWWF世界タッグ王座：1回（w/ ブラックジャック・マリガン）
WWE殿堂：2006年度（w/ ブラックジャック・マリガン）
AWA
AWA世界タッグ王座：1回（w/ ボビー・ダンカン）
WWA（インディアナポリス）
WWA世界ヘビー級王座：1回
WWA世界タッグ王座：1回（w/ ブラックジャック・マリガン）
NWAビッグタイム・レスリング
NWAアメリカン・ヘビー級王座：1回
NWAアメリカン・タッグ王座：2回（w/ ブラックジャック・マリガン）
NWAテキサス・タッグ王座：1回（w/ ブラックジャック・マリガン）
NWAテキサス・ブラスナックル王座：3回
ジョージア・チャンピオンシップ・レスリング
NWAジョージアTV王座：1回

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