ビル・アーウィン (プロレスラー)

ワイルド・ビル・アーウィン：プロレス界のカウボーイ

ワイルド・ビル・アーウィン（本名：Barney William Irwin）は、1954年9月17日にアメリカ合衆国で生まれた元プロレスラーです。彼は特に西部のアウトローを思わせるカウボーイヒールスタイルで知られており、主にテキサス州ダラスで活躍しました。また、彼は兄のスコット・アーウィンとのタッグチーム「ロング・ライダーズ」としても著名です。

初期キャリア

アーウィンは1970年代後半にプロレスの世界に足を踏み入れ、ジム・バーネットが主宰するジョージア・チャンピオンシップ・レスリングで活動を開始しました。この期間、彼は多くの著名なヒールレスラーと対戦し、ラフファイターとしてのキャリアを築きました。特にアブドーラ・ザ・ブッチャーやリック・フレアーといったレスラーとの試合が印象的で、彼らから学びながら成長を続けました。

1979年にはNWAセントラル・ステーツ地区に移り、全日本プロレスに初来日。日本での活動が、彼のプロレス生活においてさらなる展開をもたらしました。1980年の全日本の新春ジャイアント・シリーズでは、ダッチ・マンテルと共にラフファイトを披露し、以降も日本に何度も来日しています。

メンフィスとテネシーでの活躍

1980年の後半には、CWAに参加し、「ファースト・ファミリー」というヒール軍団に加わります。ここではジプシー・ジョーやキラー・カール・クラップとタッグを組み、ジェリー・ローラーらとの抗争を展開。特に1981年8月11日に行われたトーナメントで優勝し、AWA南部ヘビー級王座を獲得したことは、彼にとっての大きな成功となりました。

その後、テキサス州ダラスのWCCWでの活動が中心となり、1982年にはNWAテキサス・ヘビー級王座を獲得しました。また、キングコング・バンディと組んでNWAアメリカン・タッグ王座も獲得し、タッグチームとしても高い評価を受けました。1983年にはスカンドル・アクバをマネージャーに迎え、覆面レスラーのスーパー・デストロイヤーとして活動を開始します。

ダラースとタッグチーム活動

1984年には兄スコットと共にバイカー系タッグチーム「ロング・ライダーズ」を結成し、その人気は爆発的でした。11月には空位となっていたNWAナショナル・タッグ王座を獲得し、1985年にはWWEやAWAで数々のタイトルを争いました。地元のAWAでも多くのレスラーと抗争を重ね、全国的な名声を得ました。

後期の活動

スコットが病気でリングを離れた1986年からは、シングルプレイヤーに戻り、いくつかの団体でリングに上がります。1989年以降も新しい団体での活動を続け、特に90年代前半にはダラスの新団体GWFで存在感を示しました。1996年にはBIW組なんかで「ザ・グーン」というキャラクターを演じ、WWFでミッドカードに出場するなど、長いキャリアを持つレスラーとして名を馳せました。

引退後の活動

引退後のアーウィンは、自身のホームタウンであるダルースに戻り、レスリングスクールを運営しています。彼は選手としての経験や技術を次世代のレスラーたちに授けるべく、尽力しています。

主な得意技とタイトル

アーウィンの得意技にはスーパープレックス、バイシクル・キック、エルボー・ドロップ、ラリアット等がありました。また、数々のタイトルを獲得しており、その中にはNWAアメリカン・タッグ王座やAWA南部ヘビー級王座が含まれています。これらの栄光は、彼の長いプロレスキャリアを支える重要な要素となっています。

ワイルド・ビル・アーウィンは、強者との戦いを通じて、プロレスラーとしてのアイデンティティを確立し、数多くのファンに愛されたレスラーでした。

もう一度検索