フジエクスプレス

フジエクスプレスについて

株式会社フジエクスプレス（FUJIEXPRESS CO.,LTD.）は、東京都港区に本社を置く日本のバス事業者であり、富士急行の完全子会社です。主に貸切バス事業を運営していますが、高速バスやコミュニティバス、路線バスなど幅広いバス事業を展開しています。

事業概要

フジエクスプレスは、以下の事業を運営しています。

貸切バス事業: 団体旅行やイベントなどの輸送を担う貸切バス事業を主力としています。
高速バス事業: 中央高速バスをはじめ、「岩手きずな号」など、都市間を結ぶ高速バスを運行しています。
コミュニティバス事業: 港区コミュニティバス「ちぃばす」の受託運行を行っています。
路線バス事業: 渋谷駅発着の「渋谷シャトル」「大和田シャトル」や、横浜市営バスの路線を引き継いだ「横浜タウンバス」などを運行しています。
過去の運行: かつては渋谷区コミュニティバス「ハチ公バス」の運行受託も行っていました。

歴史

フジエクスプレスは、1997年9月8日に富士急行東京営業所を分社化して設立されました。設立当初は貸切バス専門の営業所でしたが、後に高速バス事業にも参入しました。中央高速バスに東京の事業者として参入できたのは、この営業所の存在が大きかったと言えます。

2002年には、中央高速バス諏訪岡谷線・伊那線の運行を富士急行から移管されました。2004年には、東京都内で初の一般路線バスとして「ちぃばす」の運行を開始しました。2005年には、富士急横浜観光と合併し、2007年には横浜市営バス134系統を引き継ぎ「横浜タウンバス」として運行を開始しました。

近年では、2012年に「渋谷シャトル」「大和田シャトル」の運行を開始、2013年には東北方面高速バス「岩手きずな号」の運行を開始しました。2017年には水陸両用バス『TOKYO NO KABA』の運行も開始し、事業の幅を広げています。

2021年には、富士急湘南バスが担当していた高速バス路線を譲受し、同年12月には富士急行観光株式会社を吸収合併し、江戸川営業所と埼玉営業所を新設しました。また、同年12月に「ハチ公バス」の運行を終了し、東急バスへ移管しました。

営業所

2021年12月1日時点での各営業所の保有車両数は、以下の通りです。

東京営業所: 107両
横浜営業所: 25両
江戸川営業所: 28両
埼玉営業所: 32両

主な営業所は以下の通りです。

本社・東京営業所: 東京都港区芝浦に所在し、営業所記号はTを使用します。以前はYでした。
横浜営業所: 神奈川県横浜市中区新山下に所在し、営業所記号はHを使用します。
江戸川営業所: 東京都江戸川区本一色に所在し、営業所記号はPを使用します。合併前はTを使用、一時的に記号なしの時期がありました。
埼玉営業所: 埼玉県さいたま市岩槻区加倉に所在し、営業所記号はSを使用します。

高速バス路線

フジエクスプレスが運行する主な高速バス路線は以下の通りです。

中央高速バス:
富士五湖線：新宿駅 - 富士五湖（富士急バス、京王バスと共同運行）
富士山五合目線：新宿駅 - 富士山五合目（富士急バス、京王バスと共同運行）
諏訪岡谷線：新宿駅 - 諏訪・岡谷（京王バス、アルピコ交通、山梨交通、ジェイアールバス関東と共同運行）
伊那線：新宿駅 - 伊那・駒ヶ根（京王バス、アルピコ交通、山梨交通、伊那バス、信南交通と共同運行）
その他高速バス:
東京・河口湖号：東京駅 - 河口湖駅
新宿 - さがみ湖イルミリオン線：新宿駅 - さがみ湖MORI MORI
岩手きずな号：東京駅 - 盛岡・久慈（岩手県北バスと共同運行）
渋谷・河口湖線：渋谷駅・二子玉川駅 - 河口湖駅（富士急バス、京王バス、東急バスと共同運行）
河口湖ライナー：秋葉原駅 - 河口湖駅（京成バス千葉営業所と共同運行）
成田空港 - 河口湖線：成田空港 - 河口湖駅 (京成バス千葉営業所と共同運行)
レイクライナー：横浜駅 - 河口湖駅（相鉄バスと共同運行）
御殿場プレミアム・アウトレット - 横浜線：横浜駅 - 御殿場プレミアム・アウトレット
横浜 - さがみ湖イルミリオン線：横浜駅 - さがみ湖MORI MORI
横浜 - さがみ湖MORI MORI線: 横浜駅 - さがみ湖MORI MORI
日吉 - 河口湖線: 日吉駅 - 河口湖駅 (東急バスと共同運行)
イエティ・ぐりんぱ線: 日吉駅 - スノーパークイエティ・ぐりんぱ (東急バスと共同運行)
海浜幕張・津田沼・西船橋 - 河口湖線: 海浜幕張駅 - 河口湖駅 (京成バス千葉営業所と共同運行)
大宮駅・川越駅 - 河口湖駅: 大宮駅 - 河口湖駅 (西武観光バスと共同運行)


これらの路線は、東京、神奈川、千葉、埼玉といった首都圏各地と、富士五湖や山梨県、さらには岩手県といった遠方地域を結んでいます。共同運行が多いのも特徴です。

路線バス

フジエクスプレスは、地域住民の足となる路線バスも運行しています。

港区コミュニティバス「ちぃばす」: 港区内を巡回するコミュニティバスです。
渋谷シャトル・大和田シャトル: 渋谷駅と周辺施設を結ぶ路線バスで、住友不動産のオフィスビルや文化総合センターへのアクセスを担っています。
横浜タウンバス: 横浜市営バスから引き継いだ路線で、桜木町駅と本牧地区を結ぶ134系統と、桜木町駅と新山下を結ぶ新山下・ダイワコーポレーション線があります。

車両

フジエクスプレスでは、日野自動車製の車両を中心に、三菱ふそう、UDトラックス（旧・日産ディーゼル）の車両も導入しています。かつてはボルボ・アステローペも在籍していました。

高速バスや路線バス、コミュニティバスなど、多様な車種が使用されており、近年ではスカニア製の2階建てバスも導入されています。ナンバープレートは希望ナンバー（230ナンバー）を導入しています。

富士急行観光

富士急行観光株式会社は、かつて富士急グループに属していたバス会社で、1948年に設立されました。2021年12月1日にフジエクスプレスに吸収合併され、73年の歴史に幕を閉じました。

吸収合併後も、同社所属のバスは塗装を変更せずに、後方の事業者表示をフジエクスプレスに修正した上で運行を続けています。

その他の事業

フジエクスプレスは、水陸両用バス『TOKYO NO KABA』の運行も行っています。アクアシティお台場を起点として、陸路と海路の両方を走行する観光バスです。この車両は、富士急バスの『KABA2』と同様に、水戸岡鋭治氏がデザインを担当しています。

また、契約輸送として、企業や学校の送迎バスも運行しています。

まとめ

フジエクスプレスは、貸切バス事業を核としつつ、高速バス、コミュニティバス、路線バス、水陸両用バスなど、多岐にわたるバス事業を展開しています。富士急グループの一員として、多様なニーズに応える輸送サービスを提供し続けています。

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