ブラスケム

概要

ブラスケムS.A.は、ブラジルのサンパウロに本社を置く、ラテンアメリカ最大の石油化学企業です。2002年、ブラジル石油化学産業の再編過程で誕生しました。設立時より南米最大の規模を誇り、2008年には南北アメリカ大陸において、エクソン・モービル、ダウ・ケミカルに次ぐ第3位の事業規模にまで成長しました。

ブラスケムは、ブラジル国内に13の石油化学プラントを保有し、年間約500万トンの石油化学製品を生産しています。これはブラジル国内で最大級の生産能力です。主要生産拠点であるバイーア州カマサリおよびリオグランデ・ド・スル州トリウンフォの工場では、エチレンやプロピレンといった基礎化学品を製造しています。その他にも、ベンジン、ブタジエン、トルエン、キシレン、イソプレンなど、幅広い種類の化学製品を手がけています。生産された化学製品は、Elekeirozやダウ・ケミカルなどの企業に販売されています。

ブラスケムが特に重視する製品の一つにナフサがあります。また、持続可能な社会への貢献として注目されるのが、バイオ由来の「グリーン・エチレン」生産です。2010年8月には、トリウンフォに新設された工場で、砂糖由来のエタノールを原料とするエチレンの商業生産を開始する計画が進められました。これは環境配慮型の製品開発における同社の重要な取り組みです。

歴史

ブラスケムの設立は2002年、ブラジル石油化学業界の構造改革の中で実現しました。その基盤となったのは、ブラジルの主要石油化学企業群の合併です。Copene社と、OdebrechtおよびMariani Groupが所有していたTrikem社、OPP社、Proppet社、Polialden社、Nitrocarbono社が統合されたことで誕生しました。この合併により、ブラスケムは発足当初からラテンアメリカ最大の石油化学企業となりました。

その後も、ブラスケムは事業拡大を続けます。2006年には、ブラジル国内第3位のポリエチレン製造業者Politeno社を買収しました。2007年には、ペトロブラス、ウルトラパールと共同で、Petroleo Ipiranga社の事業を買収しました。約40億ドルの取引において、ブラスケムはイピランガ社の化学品関連部門を継承し、事業ポートフォリオを強化しました。

これらの歴史的経緯を経て、ブラスケムはラテンアメリカ石油化学産業の中心的存在へと成長しました。広範な製品ラインナップと巨大な生産能力に加え、バイオマス由来製品の開発など革新的な取り組みも進めており、グローバル市場においてもその地位を確立しています。

もう一度検索