ブルガリアの歴史

ブルガリアの歴史

古代

現在のブルガリアにあたる地域には、古代にはトラキア人が居住していました。紀元前4世紀にはアレクサンドロス大王によって征服され、ギリシア文化の影響を受けました。紀元前3世紀にはケルト人が侵入し、国家を築いたとされています。その後、紀元前1世紀にはローマ帝国の属州となりました。

中世のブルガリア

第一次ブルガリア帝国

ローマ帝国の衰退とともに、ゴート人やアヴァール人などの遊牧民族が侵入しました。6世紀までにはスラヴ人が定住し、テュルク系のブルガール人が681年にブルガリア帝国を建国しました。ブルガール人はスラヴ人と同化し、ブルガリア人を形成しました。9世紀にはボリス1世のもとでギリシア正教に改宗し、ビザンティン文化を受容しました。シメオン1世の時代には最盛期を迎え、東ローマ帝国を圧倒するほどでした。しかし、10世紀後半には東ローマ帝国の攻撃を受け、1018年にはその支配下に入りました。

東ローマ帝国の統治

東ローマ帝国の統治下では、テマ制が適用され、貨幣経済が浸透しました。しかし、重税により反乱が頻発しました。11世紀後半以降、東ローマ帝国がセルジューク朝や十字軍の攻撃で弱体化すると、ブルガリア地域を統制することが困難になっていきました。

第二次ブルガリア帝国

1185年、アセンとペタルの兄弟が蜂起し、ヴェリコ・タルノヴォで独立を宣言しました。13世紀初頭にはイヴァン・アセン2世のもとで最盛期を迎え、周辺諸国との関係を良好に保ち、経済振興を図りました。しかし、1241年のイヴァン・アセン2世の死後、モンゴルの侵攻や内紛により国力が衰退しました。14世紀にはオスマン帝国がバルカン半島に進出し、1396年にブルガリアはオスマン帝国に併合されました。

オスマン帝国下のブルガリア

オスマン帝国の支配は5世紀に及び、ブルガリアの文化や社会に大きな影響を与えました。ブルガリア人は抑圧され、イスラム教への改宗を強制されることもありました。しかし、ブルガリアの文化と正教会の信仰は守り抜かれました。

近代のブルガリア

民族運動の高揚と自治公国化

19世紀に入ると、民族主義の気運が高まり、1876年には4月蜂起が発生しました。オスマン帝国はこれを鎮圧し、多くのブルガリア人が殺害されました。この事件をきっかけに、ロシアが露土戦争を起こし、1878年のサン・ステファノ条約に基づき、ブルガリアは自治権を獲得し、ブルガリア公国として事実上独立しました。しかし、列強の介入により、ベルリン会議で領土が分割されました。1885年には東ルメリ自治州を併合し、領土を拡大しました。

完全独立～バルカン戦争

1908年、ブルガリアはオスマン帝国からの独立を宣言し、ブルガリア王国となりました。その後、バルカン同盟を結び、第一次バルカン戦争で勝利しましたが、マケドニアの領有をめぐりセルビア、ギリシャと対立し、第二次バルカン戦争で敗北しました。

第一次世界大戦～戦間期

第一次世界大戦には中央同盟国側で参戦し敗北しました。ヌイイ条約で領土の一部を失い、戦後の議会選挙では農民同盟と共産党が勢力を伸ばしました。1923年のクーデタでアレクサンドル・スタンボリスキ首相が殺害され、その後は農民同盟と共産党に対する弾圧が行われました。

第二次世界大戦から冷戦、民主化

第二次世界大戦では枢軸国側につきました。1941年に三国同盟に加盟し、ユーゴスラビアとギリシアの一部を占領しました。1944年にはソ連軍が侵攻し、クーデターにより政権交代が行われ、対ドイツ戦を開始しました。戦後、ブルガリア共産党による一党独裁制の社会主義国となり、ソ連の影響下に入りました。1989年の東欧民主化の波に乗り、共産党独裁体制が崩壊し、民主化を達成しました。1990年には国名をブルガリア共和国に改称しました。

脚注

7つのページのブルガリア重要な史

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