プロフェッサー・タナカ

プロレスラーからハリウッドスターへ：プロフェッサー・タナカの生涯

プロフェッサー・タナカ（本名：チャールズ・カラニ・ジュニア、1930年1月6日-2000年8月22日）は、アメリカ合衆国のプロレス界とハリウッドを股にかけて活躍した異色の存在でした。ハワイ生まれの日系アメリカ人レスラーとして知られていますが、その出自には謎が多く、広島県出身の両親を持つと自称していた時期もありましたが、フィリピン系との説や、その他の出自説も存在します。リングネームも、プロフェッサー・タナカ、トール・タナカ、タロー・タナカなど複数を使い分けていました。

少年時代から柔道や空手、柔術を学び、アメリカンフットボールにも携わったアスリート肌の持ち主でした。1955年にはアメリカ陸軍に入隊、除隊後の1958年にレスラーとしてデビューします。当初はチャーリー・カラニのリングネームでハワイを拠点に活動していましたが、1960年代に入るとアメリカ本土に進出し、サンフランシスコを活動の舞台としました。

1964年には、ザ・シークやベアキャット・ライトといった当時のトップレスラーたちと対戦、キャリアを着実に積み重ねていきます。1966年にはオーストラリアに遠征、ジム・バーネットが主宰していたワールド・チャンピオンシップ・レスリングでIWA世界ヘビー級王座を獲得するなど、国際的な活躍も果たします。その後も、オーストラリアで王座防衛を続け、1968年にはIWA世界タッグ王座にも輝きました。同年には日本プロレスを表敬訪問するも、試合は行われませんでした。

1967年からは、アメリカを代表するプロレス団体であるWWWF（後のWWE）に参戦。ブルーノ・サンマルチノらと激闘を繰り広げ、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンなど大舞台でも活躍します。卑怯な反則技を駆使するヒール（悪役レスラー）として、観客を魅了し、人気を博しました。1969年には、ミツ荒川とタッグチーム「ライジング・サンズ」を結成し、WWWFインターナショナル・タッグ王座を獲得するなど、日本人レスラーとしてアメリカマット界で大きな成功を収めました。

1970年代に入ると、NWAのテキサス州ダラス地区やWWWF、ジョージア・チャンピオンシップ・レスリングなどで活躍、NWAアメリカン・ヘビー級王座、WWWF世界タッグ王座（ミスター・フジとのタッグ）などを獲得。1974年には全[[日本プロレス]]の『新春NWAシリーズ』に初来日、ジャイアント馬場と対戦しました。その後も、ミスター・フジとのタッグチームでWWWF世界タッグ王座を3度獲得するなど、輝かしい戦績を残しました。

1970年代後半には、ニュージーランドや国際プロレスにも参戦し、NWAブリティッシュ・エンパイア・ヘビー級王座を獲得、日本リーグ争覇戦で優勝戦まで進出するなど、世界を舞台に活躍を続けます。1979年には、メンフィスのCWAでAWA南部ヘビー級王座、AWA南部タッグ王座を獲得しました。1980年にはダラス地区で活躍、ブルーザー・ブロディと激闘を繰り広げます。

1981年、プロレスラーとしてセミリタイアし、俳優に転身。様々な映画やテレビドラマに日本人役や東洋人役として出演し、ハリウッドでも存在感を示しました。『香港コネクション』『ニンジャII・修羅ノ章』『ブラック・レイン』など、多くの作品に出演しています。

2000年、カリフォルニア州で心不全のため死去しました。70歳でした。2019年には、WWE殿堂のレガシー部門に迎えられました。プロレスラー、そして俳優として、華麗なる人生を送ったプロフェッサー・タナカの業績は、今もなお語り継がれています。彼の残した功績は、プロレス界のみならず、エンターテインメント界全体に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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