ボクサー級強襲揚陸艦

ボクサー級強襲揚陸艦

ボクサー級強襲揚陸艦は、アメリカ海軍が運用していた強襲揚陸艦（ヘリコプター揚陸艦）です。この艦級は、第二次世界大戦後に活躍したエセックス級航空母艦の長船体型3隻に改装を施し、艦種変更したものです。

概要

1950年代、アメリカ海軍は大型空母の増強と対潜哨戒機の発展に対応するため、エセックス級の一部を対潜空母（CVS）に種別変更しました。しかし、ジェット艦載機の運用にはアングルド・デッキが必要となり、従来のアクシアル・デッキ艦の新たな役割として、海兵隊の水陸両用作戦支援が注目されました。

1959年、「ボクサー」がLPH-4として艦種変更されたのを皮切りに、「プリンストン」がLPH-5、「ヴァリー・フォージ」がLPH-8となりました。「レイク・シャンプレイン」もLPH化が検討されましたが、実現には至りませんでした。

改装

艦種変更に伴い、以下の改装が施されました。

固定翼機の発着艦装置の撤去
主ボイラー・主機関の半減
5インチ砲の削減（LPH-4は連装砲4基、LPH-5/8は連装砲2基＋単装砲2基）、機銃の全廃
海兵隊収容施設の設置（LPH-4は1,300名、LPH-5/8は1,800名）および資材2,000t収容スペースの確保

前部エレベーターを潰して格納庫前半を2層化する案もありましたが、艦齢を考慮して見送られました。艦載ヘリコプターは、当時の海兵隊の主力輸送ヘリであるHUS-1（後にCH-46に更新）が想定され、格納庫に10機、飛行甲板に20機が搭載されました。また、1961年から1964年にかけてFRAM-II改修を受けています。

運用

1965年、「ボクサー」はドミニカ共和国占領に伴いドミニカ沖に展開し、ヘリボーン作戦を実施しました。しかし、元が空母であるためヘリ運用には適していましたが、兵員・貨物の収容効率に課題があり、費用対効果の面で難があると判断されました。

4隻目のLPH化は見送られ、新造のイオー・ジマ級強襲揚陸艦の増強に伴い、LPH化された3隻も1969年から1970年にかけて除籍され、短期間で運用を終えました。

同型艦

ボクサー (USS Boxer, LPH-4, 元CVS-21)
プリンストン (USS Princeton, LPH-5, 元CVS-37)
* ヴァリー・フォージ (USS Valley Forge, LPH-8, 元CVS-45)

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