モロッコの君主一覧

モロッコの君主一覧

本稿では、8世紀末に成立したイドリース朝から、17世紀に成立したアラウィー朝に至るまでのモロッコに存在した各王朝の君主について詳述する。

イドリース朝 (789年 - 985年)

イドリース朝は、モロッコにおける最初のイスラム王朝であり、イドリース1世によって建国された。彼はアリー家（預言者ムハンマドの娘婿アリーの子孫）の出身であり、アッバース朝の迫害から逃れてモロッコに辿り着き、ベルベル人の支持を得て王朝を打ち立てた。

イドリース1世 (789年 - 791年)
イドリース2世 (808年 - 828年)
ムハンマド・イブン・イドリース (828年 - 836年)
アリー1世 (836年 - 849年)
ヤフヤー1世 (849年 - 863年)
ヤフヤー2世 (863年 - 866年)
アリー2世 (866年 - ?)
ヤフヤー3世 (? - 905年)
ヤフヤー4世 (905年 - 919年/920年)
ハサン1世 (925年 - 927年)
カースィム・ガンヌーン (937年/938年 - 948年/949年)
アフマド1世 (948年/949年 - 954年/955年)
ハサン2世 (954年/955年 - 974年および985年)

ムラービト朝 (1060年 - 1147年)

ムラービト朝は、サハラ砂漠のベルベル人によって興された王朝である。彼らは厳格なイスラム教の信仰を持ち、ジハード（聖戦）を掲げて北アフリカとイベリア半島の一部を征服した。

アブー・バクル・イブン・ウマル (1060年 - 1072年)
ユースフ・イブン・ターシュフィーン (1072年 - 1106年)
アリー・イブン・ユースフ (1106年 - 1142年)
ターシュフィーン・イブン・アリー (1142年 - 1146年あるいは1147年)
イブラーヒーム・イブン・ターシュフィーン (1146年)
イスハーク・イブン・アリー (1146年 - 1147年)

ムワッヒド朝 (1145年 - 1269年)

ムワッヒド朝は、ムラービト朝を倒して成立した王朝である。彼らはより純粋なイスラム教を主張し、北アフリカからイベリア半島にかけて広大な領土を支配した。文化的な繁栄をもたらしたが、13世紀に衰退した。

アブドゥルムウミン (1145年 - 1163年)
アブー＝ヤアクーブ・ユースフ1世 (1163年 - 1184年)
ヤアクーブ・マンスール (1184年 - 1199年)
ムハンマド・ナースィル (1199年 - 1213年)
ユースフ2世 (1213年 - 1224年)
アブドゥル・ワーヒド1世 (1224年)
アブドゥッラー・アーディル (1224年 - 1227年)
ヤフヤー・ムウタスィム (1227年 - 1229年)
イドリース・マアムーン (1229年 - 1232年)
アブドゥル・ワーヒド2世 (1232年 - 1242年)
アブールハサン・サイード (1242年 - 1248年)
ウマル・ムルタダー (1248年 - 1266年)
イドリース・ワーシク (1266年 - 1269年)

マリーン朝 (1195年 - 1465年)

マリーン朝は、ムワッヒド朝の衰退に乗じて台頭したベルベル人の王朝である。彼らはモロッコを再統一し、フェズを首都として文化的な復興を遂げた。

アブド・アル＝ハック1世 (1195年 - 1217年)
ウスマーン1世 (1217年 - 1240年)
ムハンマド1世 (1240年 - 1244年)
アブー・ヤフヤー・アブー・バクル (1244年 - 1258年)
ウマル (1258年 - 1259年)
アブー・ユースフ・ヤアクーブ (1259年 - 1286年)
アブー・ヤアクーブ・ユースフ (1286年 - 1306年)
アブー・サービト・アミール (1307年 - 1308年)
アブー・アル＝ラビ・スライマーン (1308年 - 1310年)
アブー・サイード・ウスマーン2世 (1310年 - 1331年)
アブー・アルハサン・アリー (1331年 - 1348年)
アブー・イナーン・ファーリス (1348年 - 1358年)
ムハンマド2世アズ＝サイード (1359年)
アブー・サリム・アリー2世 (1359年 - 1361年)
アブー・ウマル・タシュフィン (1361年)
アブー・サイヤン・ムハンマド3世 (1362年 - 1366年)
アブル＝ファリス・アブドゥル・アジズ1世 (1366年 - 1372年)
アブル＝アッバス・アフマド (1372年 - 1374年)
アブー・サイヤン・ムハンマド4世 (1384年 - 1386年)
ムハンマド5世 (1386年 - 1387年)
アブル＝アッバス・アフマド (1387年 - 1393年)
アブドゥル・アジズ2世 (1393年 - 1398年)
アブドゥラフ (1398年 - 1399年)
アブー・サイード・ウスマーン3世 (1399年 - 1420年)
アブド・アル＝ハック2世 (1420年 - 1465年)
Muhammad ibn Ali Idrisi-Joutey (1465年 – 1471年)

ワッタース朝 (1472年 - 1554年)

マリーン朝の衰退後、ワッタース朝がモロッコを支配した。しかし、彼らの統治は安定せず、サアド朝との抗争の末に滅亡した。

Abu Abd Allah al-Sheikh Muhammad ibn Yahya（1472年 - 1504年）
Abu Abd Allah al-Burtuqali Muhammad ibn Muhammad（1504年 - 1526年）
Abu al-Hasan Abu Hasan Ali ibn Muhammad（1526年）
アブー・アル＝アッバース・アフマド・イブン・ムハンマド（1526年 - 1545年）
Nasir ad-Din al-Qasri Muhammad ibn Ahmad（1545年 - 1547年）
アブー・アル＝アッバース・アフマド・イブン・ムハンマド（1547年 - 1549年）
アリー・アブー・ハサン（1554年）

サアド朝 (1509年 - 1659年)

サアド朝は、ポルトガルとの戦いで名を上げた王朝である。彼らはモロッコを統一し、スペインやオスマン帝国といった外部勢力からの侵略を防いだ。しかし、17世紀の内乱によって衰退した。

アブー・アブドゥッラー・アル＝カーイム（1509年 - 1517年）
アフマド・アル＝アラジ（1517年 - 1544年）
ムハンマド・アシュ＝シェイク（1544年 - 1557年）
アブドゥッラー・アル＝ガリブ（1557年 - 1574年）
アブー・アブドゥッラー・ムハンマド2世（1574年 - 1576年）
アブー・マルワン・アブド・アル＝マリク1世（1576年 - 1578年）
アフマド・アル＝マンスール（1578年 - 1603年）
アブー・マルワン・アブド・アル＝マリク2世（1627年 - 1631年）
アル・ワーリド（1631年 - 1636年）
ムハンマド・エッシェイク・エス・セギール（1636年 - 1655年）
アフマド・エル・アッバース（1655年 - 1659年）

ディラー団 (1659年 - 1663年)

ムハンマド・アル＝ハッジ・イブン・アブー・バクル ・アル＝ディラー（1659年 - 1663年）

アラウィー朝 (1666年 - 現在)

アラウィー朝は、現在もモロッコを統治する王朝である。彼らはサアド朝の混乱を収拾し、モロッコの独立を維持した。1957年には、君主号を「スルターン」から「国王」に変更した。

(歴代君主については、情報が不足しているため、割愛します。)



関連項目

モロッコの歴史
* モロッコの政治

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