このリストは、
太陽系内の
ラグランジュ点に位置する、または過去に位置していた、将来的に位置する予定の既知の物体をまとめたものです。
質量を持つ二つの
天体間には、重力と遠心力が均衡する特別な点が5つ存在します。これらが
ラグランジュ点(L1~L5)です。これらの点は、
天体の軌道安定性や宇宙探査の拠点として重要な役割を果たします。
L1点: 二つの天体の間に位置し、天体間の重力が打ち消し合う点です。
L2点: 二つの
天体のうち、小さい
天体の後ろ側に位置します。
L3点: 二つの天体のうち、大きい天体の反対側に位置します。
L4点とL5点: 二つの
天体と正三角形を形成する位置にあり、安定的な軌道を持ちます。
L1点
地球から
太陽方向に約150万km内側に位置します。
現存する探査機
WIND
SOHO
ACE
DSCOVR -
太陽活動の観測と地球の撮影
過去の探査機
ISEE-3 - 1983年に彗星探査のため離脱、現在は太陽周回軌道上。2014年に地球に再接近。
ジェネシス -
太陽風サンプルを採取後、
太陽周回軌道へ。
計画中の探査機
LISA パスファインダー
夸父
L2点
地球から
太陽の反対方向に約150万km外側に位置します。
現在の探査機
WMAP - 2010年9月運用終了
プランク - L2点から移動後、2013年10月運用終了
ハーシェル宇宙望遠鏡 - L2点から移動後、2013年6月運用終了
嫦娥2号 - 月探査後、2011年8月にL2点に到着。2012年4月に小
惑星探査へ。
ガイア(GAIA) - 2014年1月14日にL2点到着。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) - 2022年1月25日にL2点到着。
ユークリッド
計画中の探査機
LiteBIRD
ダーウィン
Advanced Technology Large-Aperture Space Telescope
中止された探査機
SPICA(次世代赤外線天文衛星)
エディントン計画
L3点
太陽を挟んで地球の反対側に位置します。
天体の観測例や宇宙機を送り込む計画はありません。
L4点
地球の公転軌道に沿って60度前方に位置します。
STEREO-A - 2009年9月に接近、地球より速く太陽を周回。
2010 TK7
(614689) 2020 XL5
コーディレフスキー雲(未確認)
L5点
地球の公転軌道に沿って60度後方に位置します。
STEREO-B - 2009年10月に接近、地球より遅く太陽を周回。
スピッツァー宇宙望遠鏡 - 地球を追いかける形で
太陽を周回。2013年-2015年にL5を通過。
コーディレフスキー雲(未確認)
L1点
月の表側で地球と月の重力が釣り合う点。地球中心から約323,049km、月中心から約61,350km。
地球から月への輸送軌道の中継点として利用される。
L2点
地球から見て
月の裏側に位置。月中心から約61,347km。
現在の探査機
鵲橋 - 世界初の地球-月ラグランジュ点L2周回通信衛星。
計画中の探査機
EQUULEUS
L4/L5点
コーディレフスキー雲(可能性)
L2に
人工[[衛星]]が置かれた場合、
TDRS(データ中継
衛星)が置かれると予想される。
過去の探査機
ひてん - L4・L5を通過し、低エネルギー遷移軌道で月軌道に到達。塵の密度上昇は観測されず。
火星のトロヤ小惑星がL4とL5に存在。
L4点
(121514) 1999 UJ7
L5点
(5261) エウレカ
(101429) 1998 VF31
候補
(311999) 2007 NS2
木星のトロヤ群小惑星がL4とL5に存在。L4はギリシア群、L5はトロヤ群と呼ばれる。
L4点
木星の
トロヤ群小
惑星の一覧 (ギリシア群)
L5点
木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群)
L4点
テレスト
L5点
カリプソ
L4点
ヘレネ
L5点
ポリデウネス
L4点
2011 QF99
L5点
(未発見)
海王星のトロヤ小惑星がL4とL5に存在。
L4点
2001 QR322
2004 UP10
2005 TN53
2005 TO74
2006 RJ103
2007 VL305
L5点
2004 KV18
2008 LC18
2011 HM102
脚注
関連項目
ラグランジュ点
トロヤ群(小
惑星)
トロヤ衛星
トロヤ
惑星