ロック級フリゲート

ロック級フリゲート

ロック級フリゲートは、第二次世界大戦中にイギリス海軍が運用したフリゲート艦です。先行するリバー級フリゲートを基に、戦時下の需要に応じた大量建造を目的として設計されました。この艦級は、1942年度の戦時予算で建造が開始されました。

開発の背景

戦間期のイギリス海軍は、ロンドン海軍軍縮条約の制限が比較的緩いスループを船団護衛に充てる方針を採っていました。グリムスビー級、ビターン級、イーグレット級、ブラックスワン級といったスループが順次整備されましたが、これらは従来の軍艦設計を踏襲しており、戦時中の迅速な大量建造には不向きでした。

第二次世界大戦の勃発に伴い、1939年7月には戦時緊急計画が発動され、まず捕鯨船を基にしたフラワー級コルベットが建造されました。しかし、フラワー級は小型で速力が遅く、外洋での行動能力が不足していました。このため、より大型のリバー級フリゲートが設計され、1942年4月から就役を開始しました。

リバー級は実戦部隊から好評を得ましたが、大型ゆえに生産性が低く、建造数はフラワー級の半分程度に留まりました。そこで、リバー級をベースにブロック工法を導入し、大量建造に対応したフリゲートの開発が1942年10月に計画され、1943年1月には幕僚要求事項が承認されました。こうして、ロック級フリゲートの建造が開始されました。

設計

ロック級の船型はリバー級と同様の長船首楼型ですが、構造は大幅に刷新されました。特に、大量建造を容易にするため、船体構造には一般商船と同じ縦式構造が採用されました。また、ブロック工法が導入され、船体構造の80%がブロック化されました。アメリカでブロック工法を調査した造船官の意見を参考に、ブロックは鉄道や道路での輸送を考慮し、寸法が8.8m×2.59m×2.59m、重量が2.5トン以内となるように設計されました。さらに、溶接技術も導入されました。

機関はリバー級と同構成で、アドミラルティ式3胴型水管ボイラーと直立型直列4気筒3段膨張式レシプロ蒸気機関を2基搭載した2軸推進艦です。一部の艦ではパーソンズ式オール・ギヤード・タービンが採用されました。速力はリバー級と同程度で、基準状態で20.5ノット、燃料半量時で19.5ノット、満載状態で18.5ノットでした。重油搭載量は724トンに増加したことで、航続距離は15ノット巡航時で7,000海里まで伸びました。

装備

ロック級は対潜艦として設計され、電波兵器として271型レーダーと短波方向探知機（HF/DF）を搭載しました。

主砲は艦首に45口径10.2cm単装高角砲（QF 4インチ砲Mk.V）を1基搭載しました。これは、浮上潜水艦との近距離交戦を想定し、射撃しやすいよう甲板室上に設置されました。当初はアメリカ海軍式の56口径40mm連装機銃が計画されましたが、小型艦には不向きとして、39口径40mm4連装機銃（2ポンド・ポンポン砲）に変更されました。さらに、70口径20mm連装機銃2基と単装機銃2基が搭載されましたが、連装機銃は後に56口径40mm単装機銃に換装されました。

対潜兵器としては、スキッド対潜迫撃砲が搭載されました。爆雷は、爆雷投射機2基と爆雷投下軌条1条で、合計15発に削減されました。

建造とその後

ロック級は1942年度戦時予算で建造が開始されましたが、戦況の好転により、当初予定されていた大量建造は中止されました。最終的に竣工したのは28隻に留まり、26隻が対日戦向けの防空艦ベイ級に転換され、2隻が母艦に変更されました。54隻は建造中止となりました。

参考文献

(実際の参考文献はここに記述してください。)

関連項目

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