ロング・アウェイ

「ロング・アウェイ」（Long Away）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1977年にシングルリリースした楽曲です。この曲は、1976年に発表されたアルバム『華麗なるレース』のA面3曲目に収録されています。特筆すべきは、ブライアン・メイが作詞作曲を手掛け、リードボーカルも担当している点です。クイーンのシングル曲としては、フレディ・マーキュリー以外のメンバーがリードボーカルを務めた非常に珍しい例であり、『ノー・ワン・バット・ユー』がリリースされるまで唯一の楽曲でした。

楽曲の特徴

この曲は、ブライアン・メイが愛用するレッド・スペシャル以外のギターを使用している数少ない曲の一つとしても知られています。リズムギターには、バーンズ（Burns London）製の12弦ギターが使用されており、この独特なサウンドが楽曲に深みを与えています。メイは、ジョン・レノンを尊敬しており、元々はリッケンバッカー・ギターの使用を検討していましたが、ネックが薄く演奏が難しかったため断念したというエピソードがあります。

歌詞の内容は、スターダムに対する興味の薄さや、ロックスターとしての生活と家庭の両立についての葛藤が描かれていると解釈されています。この内省的なテーマは、メイ自身の個人的な感情を反映していると考えられ、聴く人の心に深く響きます。

2005年には、ロンドンのファンクラブ・コンベンションで、歌が入る前のデモバージョンが公開され、ファンにとっては貴重な機会となりました。また、2019年には、ファンがこの曲をモチーフにした動画をインスタグラムに投稿したところ、ブライアン・メイ本人が感動し、自身の公式アカウントで取り上げました。しかし、その際「この曲はシングルにはなっていない」と誤ったコメントをしてしまい、ファンから指摘を受け訂正するという一幕もありました。

シングル収録曲

シングルには、以下の2曲が収録されています。

1. ロング・アウェイ - Long Away (May)
2. ユー・アンド・アイ - You and I (Deacon)

ライブでの演奏

この曲は、1977年の「A Day at the Races Tour」のリハーサルで演奏されましたが、フレディ・マーキュリーによってライブで披露されることはありませんでした。しかし、2005年の「クイーン+ポール・ロジャース」ツアーでは、「'39」の前に断片的に演奏され、同年11月1日の名古屋公演ではフルバージョンで演奏されました。この時のリードボーカルはブライアン・メイが担当しました。さらに、2010年5月には、ロジャー・テイラーとブライアン・メイが、テイラー・ホーキンス＆コートテイル・ライダーズのライブにゲスト出演した際、この曲がフルで演奏されました。

評価

「ロング・アウェイ」は、音楽評論家からも高い評価を受けています。ワシントン・ポストは、「アルバムの中でもベストな曲であり、ビートルズやバーズなど、1960年代のサウンドへの愛情が感じられる」と評しました。サーカス誌も同様に、ビートルズとバーズを彷彿とさせると述べ、アルバムの他の曲とは一線を画すリアリティがあり、気取りがないと評価しています。

その他の収録アルバム

「ロング・アウェイ」は、以下のアルバムにも収録されています。

ディープ・セレクション 1973-1976
クイーン・フォーエヴァー

担当

この曲の演奏には、以下のメンバーが参加しています。

ブライアン・メイ: ボーカル、ギター
ロジャー・テイラー: ドラム、コーラス
ジョン・ディーコン: ベース
フレディ・マーキュリー: コーラス

外部リンク

* Lyrics at Queen official website

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