ワイオミング州の歴史

ワイオミング州の歴史の概観

ワイオミング州の歴史は、今日の州域が形成されてから非常に多様な経過をたどっています。現在のワイオミング州にあたる地域には、13,000年前から人類が住んでいました。はじめに存在したのは、クローヴィス文化、フォルサム文化などの古代文化の人々で、彼らの残した石器が各地で発見されています。また、ビッグホーン山脈にはおよそ800年から900年にかけて築かれたメディシン・ホィールという遺跡があり、これは先住民族が長い間使用していた証拠とされています。

先住民族との接触

当時、ワイオミング地域にはアラパホ族やシャイアン族、スー族など多くの先住民族が生活していました。白人探検家たちがこの地を訪れると、彼らは先住民族と遭遇しました。この探検の中で特に注目されたのが、フランスの罠猟師たちとルイス・クラーク探検隊のジョン・コルターです。コルターは1807年にワイオミングの地域に初めて足を踏み入れ、その地熱活動についての報告が行われましたが、当時は作り話と考えられていました。

移民の道と鉱山ブーム

19世紀初頭、オレゴン・トレイルが開かれ、1830年代には多くの移民がこの経路を使って西進しました。特に1840年代には、モルモン教徒が唯一本地区を通るモルモン・トレイルを開き、以降も多くの移民がワイオミングを訪れました。1863年にはモンタナ州で金が発見され、鉱夫たちが新たな金脈を求めてワイオミングへ流入しました。

インディアン戦争と米国の軍事介入

移民の増加に伴い、先住民族との衝突も避けられませんでした。1851年には第一次ララミー砦条約が結ばれましたが、これに反する形で移民が先住民の土地に侵入することが問題となり、1864年にはボーズマン・トレイルが開通したことも引き金となり、緊迫した関係が続きました。戦争の結果、1876年にはブラックヒルズ戦争と呼ばれる大きな軍事衝突が勃発しました。

鉄道とその影響

鉄道の到達はしばしば地域の発展を象徴しますが、1867年にユニオン・パシフィック鉄道がシャイアンに到着し、州内の都市の成長につながりました。鉄道によって人々が集まり、商業が発展し、さらには石炭資源の採掘も増えました。1885年にはロックスプリングス虐殺と呼ばれる事件が起こり、労働者間の対立が表面化しました。

州昇格と女性の権利

1868年にワシントン準州が設立された後、1870年代には州の女性に選挙権が与えられ、これによりワイオミングは女性参政権を認めたアメリカ合衆国初の州として知られるようになります。1890年には合衆国の44番目の州としてワイオミングが昇格し、その際には水資源に関連する独自の憲法条項も導入されました。

自然の保護と国立公園設立

また、1869年のフォルソム遠征隊を経て、イエローストーン国立公園が1872年に設立されるなど、自然保護の動きもありました。これにより、ワイオミングには合衆国初の国立公園や国定史跡が生まれたのです。

開拓者の時代と無法者

1862年のホームステッド法などの施策によって農夫や牧夫が入植し、その結果大規模な牧場が形成されました。牧場主同士の対立は時には武装闘争へと発展し、特に1892年のジョンソン郡戦争は多くの人々に記憶されています。また、無法者たちも多く活動を行っており、ブッチ・キャシディなどの著名な活動家がこの地でその名を馳せました。

このように、ワイオミング州の歴史は多くの対立や発展を経ながら、独特の文化と環境を形成してきました。

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