七塔寺

七塔寺（しちとうじ）

七塔寺は、中華人民共和国浙江省寧波市鄞州区にある著名な仏教寺院で、七塔報恩禅寺とも呼ばれます。天童寺、阿育王寺、延慶観宗寺と共に「浙東仏教の四大叢林」として知られています。

歴史

七塔寺は唐代の大中12年（858年）に創建され、心鏡（蔵奐）禅師が開山祖師となりました。当初は東津禅院と称されました。咸通2年（861年）には、唐の懿宗から「栖心寺」の名を賜りました。

宋代に入ると、大中祥符元年（1008年）に宋の真宗から「崇寿寺」の額を賜りました。しかし、政和8年（1118年）には、宋の徽宗が道教を崇拝した影響で道観に改められ、「神霄玉清万寿宮」と改称されました。その後、宣和2年（1120年）に「栖心崇寿寺」と元の名前に戻されました。

明代の洪武20年（1387年）には、千手千眼観音菩薩像が奉納され、朱元璋から「補陀寺」の名を賜りました。永楽時代には、『永楽大典』の釈教総裁である祖芳道聯禅師が住職を務めました。永楽22年（1424年）には、住持の汝慶が円通宝殿を建立し、宣徳7年（1432年）には、住職の永詵が毗盧閣を建立しました。天順2年（1458年）には、住職の文彬が蔵経宝閣、大悲弥陀殿、廊廡などを建立しました。嘉靖年間には十王殿が建立されました。

清代に入ると、順治年間に方丈殿が建立され、康熙年間には寺院の仏殿、山門、鐘楼などが再建されました。康熙21年（1682年）には大悲殿が建立され、住職の超育が云来庵塔院を建立し、「七塔寺」と改称しました。咸豊11年（1861年）には、太平天国の乱の戦火により寺は全焼しましたが、同治10年（1871年）に寧波江東の迎春弄と周文学が資金を募り、大仏殿や山門などが再建されました。光緒16年（1890年）には、元天童寺住職の慈運長老が寺衆と地元の仏教徒の推挙を受けて住持となり、天王殿、三聖殿、中興祖堂、蔵経楼、法堂、禅堂、念仏堂、雲水堂、鐘楼、七仏塔などを修復し、千手千眼観音菩薩像を建立しました。光緒21年（1895年）には、光緒帝から「報恩寺」の額を賜りました。

中華民国時代には、覚円和尚が住職を務めました。

1966年に文化大革命が勃発すると、寺院の宗教活動は停止され、紅衛兵によって徹底的に破壊されました。1980年以降、地元政府が寺院の修復を開始し、1983年には中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定されました。1993年以降、可祥法師が山門、円通宝殿、三聖殿、鐘楼、総合楼を修復し、文化財陳列室、鼓楼を建立しました。2011年1月7日には、浙江省人民政府によって浙江省文物保護単位に認定されました。

伽藍

七塔寺は伽藍七堂制の形式をとっています。

山門: 趙朴初による「七塔禅寺」の額が掲げられています。
天王殿: 余德明による「天王殿」の殿額、沙孟海による「七塔寺」の横額、啓功による外殿の殿額「三洲感應」があります。
円通宝殿: 清代光緒年間の五百羅漢像が安置されています。
鐘楼: 南宋紹興4年の大銅鐘があります。
三聖殿
蔵経楼: 『龍蔵』の一部、竹紙方册線装日本卍字正續蔵経の一部、中華民国時代の影印『宋磧砂蔵』の一部、鉛字排印の日本『大正新脩大蔵経』の一部、サンスクリット貝葉経一束などが収蔵されています。
祖堂: 開山祖師である心鏡（藏奐）禅師の舎利塔があります。

重要文化財

開山祖師の心鏡（蔵奐）禅師の舎利塔（「唐敕賜心鏡禅師真身舎利塔」の刻銘あり）
宋代の大銅鐘（2口、各重さ七、八千斤。南宋の紹興4年（1134年）と嘉定11年（1218年）鋳造）
清代の雍正13年（1735年）に刻印された光緒帝贈与の『龍蔵』の一部
サンスクリット貝葉経一束
清代光緒年間の石刻五百羅漢像

主な住僧

心鏡（蔵奐）禅師（790年 - 866年、馬祖道一の法孫）
溥常長老（1866年 - ?）
常西上人（1868年 - 1936年）
智円上人（1873年 - ?）
慈運長老（中興祖師）
円瑛（1878年 - 1953年）
月西法師（1915年 - 1993年）
明暘長老

もう一度検索