万里小路宣房

万里小路 宣房について

万里小路宣房（までのこうじ のぶふさ、1258年 - 1348年頃）は、鎌倉時代中期から南北朝時代にかけて活躍した日本の公卿です。彼は、従三位・万里小路資通の子であり、最終的には従一位・大納言という高い官位に昇進しました。宣房は後醍醐天皇の側近として知られ、北畠親房、吉田定房と共に「後の三房」の一人として歴史に名を刻んでいます。

主な業績

宣房の主な業績の一つは、後醍醐天皇が鎌倉幕府討幕の陰謀を疑われた「正中の変」（1324年）において、特使として鎌倉に派遣され、天皇への疑いを晴らすために弁明を行ったことです。彼の努力により、天皇は無罪判決を得ることができました。その後、宣房は建武政権下で雑訴決断所頭人に就任し、政権の運営にも貢献しました。

南北朝の時代

しかし、南北朝の内乱に際して、後醍醐天皇が南朝を開いた際には宣房はそれに合流せず、京都に留まっていました。このため、彼は後醍醐の理念に対する忠誠心が疑問視された可能性があります。また、宣房は後に出家し、次代の政治 turmoil の中での自身の立場についても慎重な姿勢を見せていました。

経歴の詳細

彼の経歴は豊富で、多くの官職を歴任しています。初めは後二条天皇に仕官し、五位蔵人から蔵人頭、そして参議への昇進を果たしました。後醍醐天皇が即位した際には権中納言に復帰し、さらには権大納言へと昇進します。元弘の変では、彼の二人の息子が討幕に関与したため、六波羅探題に拘束されるなど、波乱の人生を送っていましたが、次第に持明院統の光厳天皇のもとで働く機会も得ました。

万里小路家の衰退

鎌倉幕府が滅亡した後、建武の新政のもとで従一位に叙せられた宣房は、雑訴決断所を指揮しましたが、その後の新政への不満が高まり、最終的に出家しました。宣房に続く万里小路家は持明院統（北朝）の側に立つこととなり、伝統的な大覚寺統からの変遷を余儀なくされました。

最後の時

彼のその後の消息は不明ですが、彼の玄孫・時房の日記である『建内記』に、宣房の遠忌を修する記事が残されており、1348年に彼がこの世を去ったことが示されています。享年は91歳でした。

人物としての評価

後世において、宣房は後醍醐天皇の信任を受けた賢臣として認識され、彼が著した日記『万一記』は貴重な歴史的資料となっています。宣房は万里小路家の公家としての規範を築いた重要な人物であり、その功績は後の世代に大きな影響を与えました。

伝説

福岡県山川町には、宣房の終焉の地であるという伝説が存在します。これがどこまで真実かは不明ですが、万里小路家の歴史と地元への影響を示す興味深いエピソードです。

系譜

• - 父：万里小路資通
• - 母：八幡検校宗清の娘
• - 妻：不詳
• - 男子：万里小路藤房（1296-1380?）
• - 男子：万里小路季房（?-1333）
• - 女子：土御門親賢室
• - 女子：中納言親実の室
• - 女子：菊池武士の母 - 菊池武時室

このように、万里小路宣房は、彼の時代における重要な政治的な役割を果たし、その影響を現在まで残しています。

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