三善康連

三善康連（みよし の やすつら）

三善康連は、建久4年（1193年）に生まれ、康元元年10月3日（1256年10月22日）に没した鎌倉時代前期の人物です。鎌倉幕府の御家人であり、法曹官僚として活躍しました。父は三善康信で、幼名は牛熊、通称は七郎と称しました。三善氏系太田氏の祖としても知られています。兄には康俊・行倫がいます。

生涯

建久4年（1193年）に三善康信の子として誕生した康連は、幼い頃から律令などの法制に通じており、甥である康持・倫重らと共に重んじられました。父から備後国世羅郡太田荘の半分の地頭職を譲り受け、同荘桑原方（現在の広島県世羅町）を所領としました。貞応2年（1223年）4月には玄蕃允に任じられています。

嘉禄元年（1225年）に評定衆が設置されると、その一員に選ばれました。貞永元年（1232年）には、執権北条泰時の命を受け、御成敗式目の条文制定の中心人物の一人として携わりました（『吾妻鏡』による）。天福元年（1233年）12月には、賀茂社修造の功績により民部大丞に任じられ、従五位下に叙せられています。このため、「民部大夫」とも呼ばれました。嘉禎元年（1235年）には阿波守に任じられています。

寛元4年（1246年）の宮騒動で甥の康持が失脚したことを受け、同年8月には問注所執事（第4代）に替わって任じられ、亡くなる直前の康元元年9月28日までその職を務めました。

康元元年（1256年）に64歳で死去しました（『吾妻鏡』による。『関東評定衆伝』では65歳とされています）。

関連項目

評定衆: 鎌倉幕府の重要政策を決定する合議機関。
建治三年記: 康連の子である太田康有による著書。
* 太田時連: 康連の孫（康有の子）であり、『永仁三年記』の著者。

三善康連は、鎌倉幕府の法曹官僚として、御成敗式目の制定に深く関与し、評定衆や問注所執事などの要職を歴任した人物です。彼の法制に関する知識と実務能力は、幕府の安定と発展に大きく貢献しました。また、彼の子孫は太田氏として繁栄し、歴史に名を残しています。

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