上甑町平良

上甑町平良（かみこしきちょうたいら）

鹿児島県薩摩川内市に属する上甑町平良は、甑島列島の中部に位置する中甑島の全域を占める地域です。かつては甑島郡上甑村に属し、現在は薩摩川内市の一部となっています。中甑島は別名「平良島」とも呼ばれ、地元では「平良」と略称されることもあります。この地域は、豊かな自然と歴史的な背景を持ち合わせており、独特の文化が息づいています。

地理

上甑町平良は、中甑島の全域を範囲としています。北は上甑町中甑、南西は藺牟田瀬戸を隔てて鹿島町藺牟田と隣接し、その他の方向は東シナ海に面しています。平良港周辺に集落が集中しており、かつては小学校や中学校、郵便局などが置かれていました。島内には、木の口山（293.8m）、帽子山（296m）、浮墨山（272.1m）などの山々が連なっています。

地名の由来

地名「平良」は、集落付近に広がる平地から「平」と名付けられ、古来より地名は二字を原則としていたことから「良」の字を加えて「平良」となったと伝えられています。

自然

上甑町平良のほぼ全域は甑島国定公園に含まれており、一部は特別地域に指定されています。豊かな自然が保護されており、弁慶島などの岩礁も景観を彩っています。

歴史

江戸時代には、薩摩藩の密貿易の中継地として平良港が栄え、台風時の避難港としても利用されました。伊能忠敬の記録によれば、当時の家数は172戸でした。また、「元禄国絵図」には、上甑島との間が干潮時に徒歩で渡ることができたと記されています。寛政11年（1799年）には平良港が建設され、港湾としての機能が整備されました。

町村制施行後、1889年（明治22年）に上甑村が成立し、平良村は上甑村の大字「平良」となりました。2004年（平成16年）に上甑村が合併して薩摩川内市となり、大字名も「上甑町平良」に改称されました。

施設

公共施設

上甑平良出張診療所
上甑生活館

郵便局

平良郵便局

寺社

三島神社
恵比須神社
正浄寺

人口

2020年10月1日現在の人口は186人、世帯数は111世帯です。

教育

かつては小学校と中学校が設置されていましたが、2011年に統合され、現在は学校施設はありません。中学校は1947年に上甑中学校の平良教場として開設され、1958年に独立しましたが、2001年に上甑中学校に統合されました。小学校は1876年に寺子屋風の学校として設置され、2011年に上甑島の中津小学校に統合されました。

交通

上甑町平良を通る道路は、鹿児島県道351号鹿島上甑線です。この県道は、下甑島の鹿島町藺牟田から上甑島の上甑町中甑までを結び、2020年に全線開通しました。また、甑大橋の開通により、下甑島への自動車での移動も可能となりました。

バス

コミュニティバス「甑かのこゆりバス」が運行しており、「こしき縦貫バス」が平良を経由します。

港湾

平良漁港

参考文献

角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店、1983年
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年
上甑村郷土誌編集委員会『上甑村郷土誌』上甑村、1980年
橋口兼古, 五代秀堯, 橋口兼柄 著、島津久光 編『三[[国名勝図会]]』薩摩藩、1843年

関連項目

甑島列島
* 平良 (曖昧さ回避)

上甑町平良は、その歴史、自然、文化が融合した魅力的な地域です。静かな環境で、のんびりとした島時間を過ごすことができるでしょう。

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