中井町

神奈川県中井町：自然と歴史が調和する町



中井町は、神奈川県の南西部に位置し、足柄上郡に属する町です。大磯丘陵の北西部に広がる町域は、山林、農地、市街地が織りなす多様な景観が特徴です。

地理



町の3分の1を占める山林はすべて民有林で、丘陵地の間には川が流れ、その沿岸に農地と市街地が広がっています。町の西部には中村川、東部には葛川が縦断し、関東大震災による土砂崩れで生まれた震生湖は、日本で最も新しい自然湖として知られています。湖畔には、震災調査に訪れた寺田寅彦の句碑が残されています。また、南西部には曽我山や不動山などの山々が連なり、斜面にはみかん畑が点在しています。

歴史



中井町の歴史は古く、平安時代末期には豪族の中村氏がこの地を治めていました。

行政



現在の町長は戸村裕司氏で、2022年11月14日に就任しました。中井町は、1908年（明治41年）に中村と井ノ口村が合併して中井村となり、1958年（昭和33年）に町制を施行して現在の中井町となりました。町内には、旧村名を残す遠藤、田中、半分形など多くの地区があります。

産業



中井町は、農業と林業が盛んな地域です。町内には約500戸の農家と120戸以上の林業従事者がおり、酪農が主要な産業となっています。近年では、東名高速道路の秦野中井インターチェンジ周辺に工業団地が造成され、製造業や物流業の事業所が集積しています。これにより、町の就業構造にも変化が見られるようになりました。

農林業



中井町の農地面積は約4分の1を占め、世帯の約16%、人口の約23%が農家ですが、その数は減少傾向にあります。主な農産物としては、北条シソやみかん、落花生、トウモロコシなどがあります。酪農も盛んで、約30戸の酪農家が800頭以上の乳牛を飼育しています。

町の約3分の1を占める山林は、天然の広葉樹林が中心で、スギやヒノキなどの人工林もあります。林業に携わる戸数は123戸です。

工業と商業



2000年時点で、町内には97の工業事業所があり、製造品出荷額は約842億円でした。東名高速道路のインターチェンジ周辺には、富士フイルムビジネスイノベーションやテルモなどの大手企業が進出しています。

また、卸・小売・飲食店は134軒あり、年間販売額は約210億円です。

地域



健康と福祉



2000年時点では、高齢化率は全国平均よりも低かった中井町ですが、2014年には28.4%まで上昇し、高齢化が急速に進んでいます。

教育



町内には、中井町立中村小学校、中井町立井ノ口小学校、中井町立中井中学校があります。

施設



中井町には、井ノ口公民館、中井町農村環境改善センター、中井町郷土資料館、境コミュニティセンターなどがあります。また、中井中央公園、境グリーンテクパーク、厳島湿生公園、中井町総合グラウンドなどの公園や施設も整備されています。

交通



かつては軽便鉄道が通っていましたが、現在は廃止されています。最寄りの鉄道駅は、小田急小田原線秦野駅とJR東海道本線二宮駅です。町内には、神奈川中央交通のバス路線が運行しており、東名高速道路が町の北部を東西に横断しています。町内には秦野中井インターチェンジと中井パーキングエリアがあります。

著名な出身者



中井町出身の著名人としては、禅僧の抜隊得勝、タレントの佐藤寛子、バレーボール選手の尾上健司、NHKアナウンサーの野地俊二、音楽プロデューサーの成川沙世子などがいます。

外部リンク




中井町は、豊かな自然と歴史、そして新しい産業が共存する魅力的な町です。

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